彼氏が財閥の後継者の座を失ったと思い、涙ながらに一千五百万円を渡した私――しかし彼は別の財閥の御曹司になっていた
絵描き
恋愛現代恋愛
2026年07月30日
公開日
9.1万字
連載中
六年前。
新人女優の水城露奈は、クランクアップ記念パーティーで薬を盛られ、見知らぬ男のホテルへ連れ込まれた。
幸い逃げ出すことはできた。
しかしその事件によって、二つのオーディションの機会と、決まりかけていた大切な役を失った。
それから六年。
努力だけを武器に、ようやく女優として認められるようになった露奈の前に、かつて彼女を傷つけた先輩俳優・黒沢毅が再び現れる。
そんな時。
六年間付き合ってきた恋人――藤原グループの後継者・藤原明彦に、衝撃の事実が発覚した。
彼は生まれた時、別の子供と取り違えられていたのだ。
一夜にして、彼は財閥後継者の座を失った。
豪邸を出て、生活も一からやり直すことになった。
露奈は歯を食いしばり、一千五百万円を彼に渡した。
生活費を細かく計画し、これから先ずっと彼を支える覚悟まで決めた。
しかし――。
ある晩餐会で、露奈は信じられない光景を見る。
何も持たないと思っていた彼が、三千億円規模の契約に署名していたのだ。
そして、彼女が渡したお金には一円も手をつけていなかった。
その時、露奈は初めて知る。
彼が求めていたものは、お金ではなかった。
ずっと彼女に必要とされ、大切にされる幸せだったのだ。