納棺師の私が財閥御曹司の王様ゲームに巻き込まれた――軽い遊びだったはずのキスが、彼の運命を変えた
夢茸もぐ
恋愛現代恋愛
2026年08月03日
公開日
2.1万字
連載中
私は思っていた。
これはただ、お互いが必要としているものを得るための関係なのだと。
彼は誰もが羨む財閥御曹司。
そして私は、毎日亡くなった人と向き合う納棺師にすぎない。
彼は酒の席で友人たちに言った。
「彼女とは、ただの遊びだ」
王様ゲームでは、「恋人以外の異性を抱きしめる」という罰ゲームを、人前でためらうことなく受け入れた。
彼の周囲の人間が、私の仕事を理由に「縁起でもない女」と笑った時も――。
彼は何も言わなかった。
彼の父親が、私の生まれや職業を侮辱した時も。
彼の婚約者候補の女性が、金で私の誇りを踏みにじった時も。
私はただ、黙って耐えた。
そして彼は、冷たい一言を残した。
「もう終わりだ」
その瞬間、私は本当に終わったのだと思った。
けれど――。
私が知らなかっただけだった。
本当の嵐は、そこから始まるのだと。