他の女と子供を救うことを選んだ夫――見捨てられた妻が選んだのは、私だけを必要としてくれる隣のシングルファザーだった
ぺたぺた
恋愛結婚生活
2026年08月05日
公開日
2万字
連載中
結婚生活も数年目を迎えた。
高橋月乃は、夫にとってずっと「できる妻」だった。
家のことは一人で完璧にこなす。
夫が隣の未亡人とその子供を助けに行っても、何も言わずに待つ。
胃の痛みに耐えながら助けを求めても、夫は彼女の電話を切り、あの女性の子供のもとへ向かった。
結婚記念日のディナー券は、いつの間にか別の人へ渡されていた。
家族向けの福利厚生ポイントは、誰かのための新しい服に変わっていた。
そして彼女自身には――。
会社の行事に着ていける服さえ残されていなかった。
そんなある日。
月乃は隣に住むシングルファザーの家のドアを叩いた。
そして初めて、自分のために嘘をついた。
腰を痛めたふりをして、助けを求めたのだ。
それは、息苦しい結婚から逃げるための小さな一歩に過ぎないと思っていた。
しかし彼女は知らなかった。
鋭い眼差しを持つその男は、最初から彼女の本当の気持ちを見抜いていた。
そして決めていた。
もう二度と彼女が孤独にならないように――。
自分こそが、彼女にとって唯一必要な存在になるのだと。