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釜瑪秋摩
恋愛現代恋愛
2026年08月07日
公開日
1.1万字
完結済
子どものころ、毎年の夏を父の田舎で過ごした。近所の子どもたちやいとこに混じって、日が暮れるまで遊んだあの町。その中に、勇助がいた。
中学一年の夏の終わり、勇助は言った。
「見せたいものがあるから、今夜、九時に、月見草が咲く丘で待ってて」
——けれど、その夜、彼は来なかった。
それから十年。祖母の訃報で、私は久しぶりにあの町へ帰る。通夜の夜、何気ない親戚の一言が、あの夏の意味を、まるごと変えてしまうまでは、なにも知らないままだった。
第1話 待ちぼうけ