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契約結婚した私を攻略したのは、夫ではなく七歳の継息子だった――ピンクのスリッパから満点の答案まで、彼がくれたのは家だった
契約結婚した私を攻略したのは、夫ではなく七歳の継息子だった――ピンクのスリッパから満点の答案まで、彼がくれたのは家だった
カナリア
恋愛結婚生活
2026年08月10日
公開日
2.4万字
連載中
私は桐生家へ嫁ぎ、七歳の継息子の母親になった。 周囲は、これを玉の輿に乗った幸せな結婚だと思っていた。 けれど、私だけは知っていた。 これは愛ではない。 私は妻を演じる。 彼は私に居場所を与える。 ただ互いの利益のために結ばれた、冷たい契約だった。 ――そのはずだった。 まさか、この家で一番大人だったのが、社長でも私でもなく、まだ七歳の男の子だったなんて。 彼は小さな手で家庭の買い物リストを作り、通学の予定を管理する。 私が風邪を引けば誰より先に気づき、酔って倒れた夜には冷静に救急へ連絡した。 「ママは一人で頑張りすぎだよ」 そう言われた瞬間、私は初めて気づいた。 彼は私を必要としているだけではなかった。 ずっと、私を家族として迎え入れようとしていたのだ。 やがて、仕事だけを優先し、愛情をお金で済ませていた夫も変わり始める。 息子に教えられながら、贈り物の選び方を覚えた。 謝ることを覚えた。 そして、初めて自分の言葉で伝えた。 「ずっと前から、君のことが好きだった」 契約から始まった結婚。 けれど最後に私が手に入れたものは――。 条件でも、約束でもない。 どんな時も私を受け入れてくれる、本当の家だった。

第1話 ピンク色のスリッパ

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