捨てたはずの御曹司が、今度は私を離してくれません〜転落した元令嬢と冷徹社長の契約愛〜
レイナ
恋愛S彼・俺様
2026年08月17日
公開日
3.1万字
連載中
5年前。
水野怜奈は、南ヶ丘市で「第一の美女」と称される存在だった。
桐生修司から差し出された一枚のルームキーを、彼女は笑って受け取らなかった。
そして、そのままゴミ箱へ捨てる。
「私を追いかけてる男なんて、南から北まで並べるくらいいるの。桐生修司さんも、ゆっくり順番待ちしてて」
そう言い放った彼女は、誰もが羨む華やかな人生を送っていた。
5年後。
水野怜奈は刑務所に入り、美貌を失い、すべてを失った。
かつての輝きは消え、底辺まで落ちた彼女が再び近づいた相手――それは、今や南ヶ丘市の経済界を支配する男、桐生修司だった。
「修司様……あの時の私は、あなたの価値も分からない愚かな女でした。どうかお許しください。もう一度、私にやり直す機会をください」
一枚の契約書によって、水野怜奈は桐生修司の“籠の中の鳥”となった。
彼女は分をわきまえ、静かに愛人として振る舞う。
ただ願うのは――この契約が一日でも早く終わり、自由を取り戻せることだけ。
しかし、男が差し出したのは契約解除の書類ではなかった。
「怜奈、結婚の誓約書にサインして。俺の財産も、俺自身も……全部君のものだ」
――愛という名の檻に閉じ込めたのは、果たしてどちらだったのか。
最後までその檻の中へ、自ら進んで飛び込んでいたのは――彼のほうだった。