スナ
恋愛現代恋愛
2026年08月18日
公開日
9.1万字
連載中
松本砂尾は、長年想い続けた相手との結婚を手に入れ、幸せな未来を信じていた。
しかしある日、偶然聞いてしまった夫・松本安と義姉の会話によって、その幸せは一瞬で崩れ去る。
「安……私に子どもを授けて」
その言葉で砂尾は知った。
自分が大切に守ってきた家庭も、我慢して築いてきた夫婦の絆も、すべては偽りだったのだと。
夫の心には、別の女性がいた。
しかもその“忘れられない想い”は、砂尾の居場所だけでなく、家族も、努力も、そして未来までも奪おうとしていた。
けれど、砂尾は泣き崩れることを選ばなかった。
静かに愛情を手放し、もう二度と傷つかないために、自分自身の人生を取り戻すことを決意する。
離婚届を手に、砂尾は新たな道へ歩き出した。
仕事に生きる彼女の周囲には、いつしか新たな出会いが訪れる。
誠実な外交官、優しく支えてくれる副院長、そして一途に想いを寄せる年下の彼――
一方、妻の大切さに気づいた松本安は、離婚届を前に初めて悟る。
誰よりも自分を愛してくれていた砂尾は、彼が義姉を優先した瞬間から、すでに心の中で別れを決めていたのだと。
そして、砂尾が別の男から跪いて求婚されたその時――。
安は彼女を抱きしめ、赤くなった目で囁く。
「まだ俺は離婚届にサインしてない!」