冷酷な御曹司と期限付きで結婚したら、契約満了後も溺愛が終わりません
タルタル
恋愛現代恋愛
2026年08月21日
公開日
30.1万字
連載中
媚薬を盛られた夜、珠璃が助けを求めた相手は、この街で最も敵に回してはいけない男だった――。
両親を亡くして以来、叔父夫婦に家も会社も奪われ、遺品さえ人質に取られてきた没落令嬢・朱雀珠璃。
取引先の男に襲われかけ、必死に逃げ込んだ先で一夜を共にしたのは、“商界の大魔王”と恐れられる冷酷な御曹司・忌部颯だった。
翌朝、彼から「望む補償を言え」と告げられた珠璃は、震える声で言い放つ。
「私と結婚してください」
祖父の遺産を取り戻し、奪われた人生を取り返すため。愛など求めない、期限付きの契約結婚――そのはずだった。
ところが、冷酷なはずの颯は、珠璃を虐げてきた親族を容赦なく追い詰め、下心を抱く男を跪かせ、誰よりも彼女を守り始める。名ばかりの妻に二億八千万円の指輪を贈り、彼女の傷も孤独も、すべて自分のものだと言わんばかりに包み込んでいく。
最強の夫を味方につけた珠璃も、もう黙って耐えるだけの令嬢ではない。両親の遺品も、奪われた会社も、自分を踏みつけた者たちへの報いも、すべてこの手で取り戻してみせる。
そして迎えた契約満了の日。
役目は終わったと離婚を切り出した珠璃に、颯は逃げ道を塞ぐように迫り、冷たい声で告げた。
「誰が君を手放すと言った?」
しかも、二人の両親が命を落としたのは、十九年前の同じ雨の夜だった。
偶然だと思われた二つの事故。その裏に隠された秘密を知ったとき、珠璃は初めて気づくことになる。
颯が自分と結婚した本当の理由は、愛だけではなかった――。