夫が初恋の彼女と花火を見た夜、私は妊娠も結婚も手放した…復縁を求める彼に「あなたはもう、お兄さんには似ていない」と告げた
姫(ニート)️
恋愛結婚生活
2026年08月24日
公開日
9.5万字
完結済
結婚して三年。
私は彼の秘書であり、誰にも知られていない妻だった。
そして――
彼が初恋の女性を忘れられないふりをするため、利用した存在でもあった。
彼女が帰国した日。
夫は私の指紋認証を削除し、玄関の暗証番号を変えた。
そして、私たちの家へ彼女を迎え入れた。
私が一人で中絶同意書に署名し、三年間の結婚に別れを告げたその日。
彼は彼女と花火を見ていた。
離婚の日。
彼は彼女と、世紀の結婚式を挙げた。
世界中に生配信される、華やかな式。
けれど――
そこで流された映像は、二人の愛の証ではなかった。
それは、私がメディアへ渡したもの。
十三年前、彼女が彼の兄を死へ追いやった証拠だった。
誰もが私に問いかけた。
「これは復讐なのか」と。
私は答えた。
「違います」
「私はただ、十年以上胸の奥にしまっていた言葉を――彼のお兄さんへ届けたかっただけです」
そして彼には、最後にこう告げた。
「あなたはもう、お兄さんには似ていない」
「あなたを愛したことなど、一度もありません」