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パトロンの初恋相手の弟に「所詮身代わり」と罵られたのに、後日赤面で「好きになってくれませんか」と告白された
パトロンの初恋相手の弟に「所詮身代わり」と罵られたのに、後日赤面で「好きになってくれませんか」と告白された
有機タマネギ
恋愛現代恋愛
2026年08月24日
公開日
2.3万字
連載中
金井桜は、ただの“身代わり”だった。 三年間、文句ひとつ言わず、与えられた役割を完璧にこなしてきた。 そんなある日。 ソファで昼ドラを見ながら、のんびり過ごしていた彼女の前に、一人の男が突然乗り込んできた。 彼は桜を指差し、怒鳴りつける。 「勘違いするなよ」 「あいつが本当に好きなのは、お前じゃない」 「兄さんだ。お前なんか、ただの代用品だ」 「いい気になるな。どうせいつか捨てられる!」 金井桜【……???】 何が起きているのか分からない。 けれど次の瞬間。 彼女は逆に彼を壁際へ追い込み、妖しく微笑んだ。 「じゃあ……社長さん」 「私をあなたが囲ってくれませんか?」 金井桜は、七歳の時に神奈川県の児童養護施設の前へ置き去りにされた。 十四歳の時。 一組の夫婦に引き取られた。 優しい両親ができたのだと思った。 ようやく、自分にも帰る場所ができたのだと思った。 ――けれど、三ヶ月後の深夜。 その“父親”が、彼女の部屋へ入ってきた。 桜は叫んだ。抵抗した。警察にも通報した。 しかし、養母は彼女を責めた。 「恩知らずの裏切り者」 そう罵り、再び彼女を施設へ戻した。 その日から、桜が信じるものは一つだけになった。 ――お金だけは、人を裏切らない。 二十二歳。 銀座のクラブで働いていた桜は、北島隆一という客に出会った。 彼は、亡くなった恋人にそっくりな彼女を見つけ、 “身代わり”としてそばに置いた。 桜も分かっていた。 自分が愛されているわけではないことを。 それでも、契約なら傷つかないと思っていた。 ――あの女性の弟に、すべてを知られるまでは。 けれど桜は知らなかった。 過去をすべて打ち明けた彼女を、隆一が強く抱きしめることを。 「俺は君を裏切らない」 「一生かけて証明する」 そう誓ってくれることを。 母親が彼女を侮辱しに来た時も、彼は桜の手を握った。 「家族が桜を受け入れないなら」 「俺が北島家を出る」 そして―― 桜の花が舞う木の下で。 彼は片膝をついた。 震える声で、指輪を差し出す。 「これは契約なんかじゃない」 「本当の気持ちだ」 その瞬間。 桜は初めて知った。 この世界には―― お金よりも、裏切らないものがあるのだと。

第1話 借金取りの弟がやってきた

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