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十年間、財閥御曹司の「癒やし人形」だった私――日記を破られ「金目当て」と捨てられた私を、失って初めて愛していたと気づいた
十年間、財閥御曹司の「癒やし人形」だった私――日記を破られ「金目当て」と捨てられた私を、失って初めて愛していたと気づいた
Imoko
恋愛現代恋愛
2026年08月26日
公開日
2.7万字
連載中
十三歳の時から。 私は九条家の後継者のために、白金台の屋敷へ住み込み、夜の付き添い役を務めてきた。 呼ばれれば、いつでも駆けつける。 それが、十年間の私の役割だった。 日記に彼の名前を書き続けたページ。 誰にも見せるつもりのなかった想いを、彼は自分の手で破り捨てた。 そして、私の前に小切手を投げる。 「夢を見るな」 「お前は、金が欲しいだけだろ」 その言葉で、十年間抱えていた恋は粉々になった。 後日。 彼が酔った夜、無意識に呼んだ名前は私だった。 けれど翌朝。 彼は私の目の前で恋人からの電話に出て、彼女へ尋ねた。 「昨日の夜、どうして君じゃなかったんだ?」 私はもう、何も言わなかった。 契約の更新を断り。 電話番号を変え。 北海道へ引っ越した日。 彼はまだ、別の女性とキャンプ場で花火を眺めていた。 そして――。 彼が入院した後。 九条夫人は、私に戻ってきてほしいと頼んだ。 私は一度だけ、彼のもとへ向かった。 帰ろうとした時。 彼が差し出したのは、一枚の古い願い券だった。 十三歳の私が、彼のために約束したもの。 「君の願いなら、何でも叶える」 そう書かれた、あの日の約束。 私はその願い券を破った。 「もう、期限切れです」 十年間、彼のためだけに存在した私は。 もう二度と、彼のもとへ戻らない。

第1話 ホテルのルームサービス?

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