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親友に恋人を奪われた私が、なぜか彼女の父親の子を産むことになりました
親友に恋人を奪われた私が、なぜか彼女の父親の子を産むことになりました
Chichi
恋愛現代恋愛
2026年08月31日
公開日
2.7万字
連載中
希美が光清久行と結婚した理由は、ただ一つ。 復讐だった。 あの日、恋人の加藤彦を驚かせようと、一時間半も早く帰宅した希美。 けれど、驚かされたのは自分のほうだった。 いつも優しかった恋人と、長年親友だった女性が、同じベッドの上で抱き合っていたのだ。 顔を合わせれば口喧嘩ばかりしていた二人。 犬猿の仲だと思っていた二人は、最後にはベッドの上で勝負をしていた。 どちらが相手をより気持ちよくさせられるか――そんなくだらない意地を張り合いながら。 あまりにも馬鹿げていて、希美は笑うことすらできなかった。 親友は平然と言った。 「私たち、もう三か月も付き合ってるの」 「その間、このベッドで何度も一緒に寝たよ」 その瞬間、希美は決めた。 復讐する、と。 彼女が向かった相手は、親友がこの世で最も恐れている父親――光清久行だった。 久行は一枚の結婚契約書を差し出した。 希美は迷うことなく署名した。 だから彼の冷たさにも耐えた。 一人きりの夜にも耐えた。 「子どもで玉の輿に乗った女」 そんな陰口にも耐えた。 この結婚は、復讐のためだけの契約。 復讐が終われば、何もかも終わる。 自分を傷つけたあの二人がすべてを失う姿を見届けたら、静かに去ればいい。 そう思っていた。 けれど、最初に堕ちたのは―― 自分の心だった。 大勢の招待客の前で、彼が初めて額に口づけを落とし、「俺の妻だ」と堂々と示してくれた日のこと。 初めて料理をしてくれた日のこと。 高級なシャツをソースで汚しながら、焦げた料理を抱えて照れくさそうに笑い、 「君が喜ぶかと思って」 そう言ってくれた日のこと。 真夜中に起きて、彼女のためにうどんを作ってくれたこと。 出産室の前で目を真っ赤にして待っていてくれたこと。 そして、震える指で薬指に指輪をはめてくれた、あの日のこと。 希美はようやく知った。 最高の復讐とは―― 憎い相手を不幸にすることではない。 世界で一番愛される女性になることだった。

第1話 彼氏と親友が同じベッドで

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