愛想を尽かして離婚したら、冷徹な白石社長が今さら必死です
チーズ眠くない
恋愛現代恋愛
2026年09月08日
公開日
4.7万字
連載中
白石凛花が「白石夫人」の座にいることを、誰もが快く思っていなかった。
夫がかつての婚約者と会う夜には、避妊具を届けろと命じられ、それでも凛花は黙って従った。
愛と憎しみが絡み合う苦しい関係から、何年経っても抜け出せなかったのは――ただ、彼をずっと愛していたから。
けれどある日、凛花は突然、すべてに疲れてしまう。
そして彼女は振り返ることなく、白石直哉に離婚を告げた。
月日は流れ、凛花は誰もが憧れる華やかなトップデザイナーへと上り詰める。常に大勢の人々に囲まれ、その美しさと才能に惹かれた男たちが、次々と彼女に思いを寄せた。
一方、名門の御曹司として生まれ、絶対的な権力を誇る白石直哉は、再会した元妻を前にして、赤く目を潤ませていた。
その日、集まった報道陣のカメラが一斉に捉えたのは、凛花を壁際に追い詰めながらも、壊れ物に触れるように彼女を見つめ、必死に懇願する直哉の姿だった。
「もう一度だけ、俺にチャンスをくれないか?」
けれど凛花は伏し目がちに彼を見つめ、艶やかな赤い唇に冷たい笑みを浮かべる。
「白石さん。どうして一度壊れた関係を、元に戻せると思ったの?」