産後一ヶ月、私と娘を放って従妹の息子を溺愛する夫――もう限界なので、娘を連れて離婚します
ばばぶい
恋愛現代恋愛
2026年09月08日
公開日
7.2万字
連載中
出産から一ヶ月。
三浦美月は、生まれたばかりの娘・光を抱きながら、夫の駿が迎えに来るのを待っていた。
ところが彼は「仕事がある」の一言で姿を見せない。
妊娠中も、出産の日も、産後もずっと同じだった。
――私は丈夫だから。
一人でも平気だから。
そう信じて耐えてきた美月だったが、その日、偶然訪れたホテルで残酷な光景を目にする。
そこにいたのは、夫の従妹・紬と、その息子を愛おしそうに抱く駿だった。
自分の妻には一度も向けなかった優しい笑顔。
妊娠中から付き添い、出産にも寄り添い、一ヶ月祝いまで盛大に開く夫。
しかも彼が祝いの品として差し出したのは、美月の母が光のために託した一族の家宝だった。
「君は強いから大丈夫」
「紬は体が弱い。君とは違う」
その言葉を聞いた瞬間、美月の中で五年間守り続けてきた愛が完全に死んだ。
家宝を取り返し、夫に突きつけた言葉はただ一つ。
「離婚しましょう」
ところが駿は、美月の決意をただの嫉妬と産後の情緒不安定だと思い込み、さらに彼女が命を削って完成させた大型プロジェクトの功績まで紬に与えようとする。
挙げ句の果てには、美月の母乳さえ紬の息子に与えろと言い出して――。
妻だから、母親だからと耐えるのは、もう終わり。
娘のため、奪われた誇りのため、美月はすべてを取り戻すことを決意する。
しかし、夫が異常なまでに紬を庇う理由と、二人が五年間隠してきた過去が暴かれたとき、この離婚は誰も予想しなかった泥沼へと変わっていく――。