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十年愛したゲームの夫に現実に妻と子がいた?――しかも私の会社の社長になった彼は息子を抱き私を知らぬふり
十年愛したゲームの夫に現実に妻と子がいた?――しかも私の会社の社長になった彼は息子を抱き私を知らぬふり
ネコビョウキ
恋愛現代恋愛
2026年09月10日
公開日
2.7万字
連載中
十年間、密かに想い続けたゲーム内の恋人。 二十歳の誕生日に告白した瞬間、彼は突然消えた。 五年後。 彼のアイコンが再び点灯した。 けれど、返信してきたのは一人の子どもだった。 「これは、僕のお父さんのアカウントです」 家族写真には、子どもを抱く彼の姿。 その隣には、優しく美しい女性が立っていた。 そして、その男こそ―― 私の会社に新しくやってきた取引先の社長、上明戸凪だった。 彼は私に、あるプロジェクトを任せた。 タイトルは『星空島』。 大画面に映し出されたのは、青い光が舞う幻想的な海。 藤の花が咲き誇るブランコ。 星型ランタンを抱えたNPCの少女。 それは、私が二十歳のあの日。 三日三晩眠らず、彼のために一文字ずつ書き上げた未来の仮想世界だった。 彼は微笑んで言った。 「これは、僕の妻へのプレゼントです」 私は会場の隅で、全身を震わせていた。 自分の手で描いた夢。 そこに刻まれている名前は、私ではなかった。 彼と彼の家族三人が、会場中から祝福される姿を見る。 彼の“妻”が、かつて私が彼のためにデザインした紋章入りのブレスレットを身につけ、 「過去を捨てて、本当の愛へ進むためのものです」 そう語る姿を見る。 私は退職届を提出した。 ゲームの中に残した、二人だけの家を壊した。 七年間一緒に育てた幻獣を、遠い場所へ送り出した。 五年間待ち続けたアカウントも削除した。 五年間のメッセージ。 何万件もの既読にならない想い。 最後に残した言葉は―― 「幸せになってください」 「もう二度と会いません」 けれど、私は知らなかった。 彼が私を追って、故郷まで来ることになるなんて。 土砂降りの雨の中。 古びた木の扉を何度も叩きながら、声を震わせて叫ぶ。 「晚星!」 「開けてくれ!」 「俺だ――黄昏だ!」

第1話 十年の隣に、彼はもう父親だった

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