恋多き女が本気の恋を決めたら、釣り上げた誠実なイケメン医師は実は最高のハンターでした
Verity
恋愛現代恋愛
2026年09月15日
公開日
2.9万字
連載中
綾瀬華が一番得意としていること。
それは、男に「自分は必要とされている」と思わせることだった。
だから京極亮を落とすなんて、彼女にとっては簡単なことだった。
京極商事の後継者。
女遊びが激しい御曹司。
彼の座右の銘は――
「彼女たちの中で、一番愛しているのは君だ」
という、どうしようもなく甘い言葉だった。
華の母は言っていた。
「恋人を選ぶなら顔のいい人」
「結婚相手を選ぶなら、信頼できる人」
だから華が狙ったのは、高梨誠だった。
三十歳。
独身。
スタイルもよく、顔も整っている。
医者一族の生まれで、彼の生活は病院、図書館、自宅だけ。
華は毎日すっぴんで手作りのスープを届けた。
優しくて家庭的な女性を演じ、純粋で控えめな“守ってあげたい女”を装った。
さりげなく彼の手に触れる。
すると、彼の耳が赤く染まる。
華は思った。
自分の勝ちだ、と。
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けれど。
高梨誠は車の中で、彼女のすべての計算を一つずつ暴いた。
「勤務表を流したのは俺だ」
「出前を届けてもらうよう店に頼んだのも俺」
「雨の日、わざと車を遠くに停めた」
「君と少しでも長く、傘を差して歩きたかったから」
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「本当の狩人ほど、獲物の姿をして近づいてくる」
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翌日。
京極亮は財閥の力を使い、高梨誠を潰そうとした。
しかし午後三時。
京極征一郎本人が病院へ現れた。
そして高梨誠の前で、深く頭を下げた。
京極亮は父親に平手打ちされ、床に蹴り倒された。
崩れ落ちながら泣き叫ぶ。
「俺はただ、結婚したくなかっただけなんだ!」
「俺にはお前しかいない!」
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綾瀬華はしゃがみ込み、彼の目をまっすぐ見つめた。
「あなたは私を愛していたんじゃない」
「あなたが愛していたのは、いつまでも自分を待ち続ける都合のいい玩具」
「その玩具が、もうあなたを選ばなくなっただけ」
「自業自得よ」