玉の輿を狙う親友に高額でコンサルを頼まれた私――報酬をこっそり安物に替えたら、なぜか御曹司社長に溺愛されました
千鶴owo
恋愛現代恋愛
2026年09月21日
公開日
7.8万字
完結済
堀木香奈美は、二十万円を私の前へ差し出して言った。
「私の一生の幸せ、あなたに託すね」
私はそのうち十九万九千円を懐に入れ、古いカーテンを使って小さな白いドレスを縫った。
香奈美はそのドレスを着て、玉島家の慈善晩餐会へ向かった。
そして――玉島督本人から声をかけられた。
その後、香奈美は再び私に二百万円を渡した。
「いつも大女将様の前でお茶を淹れている茶谷優菜をどうにかして」
私はそのうち百九十九万九千円を自分のものにして、八百円の黒豆青汁パウダーと大量のアイドルアクリルスタンドを使った。
結果、茶谷優菜が仕掛けた罠は、ただの茶番劇へと変わった。
茶谷優菜が、部屋いっぱいに並べられた段ボール製のアイドルパネルを前に、笑顔を崩した時。
私は思った。
私たちの勝ちだ、と。
けれど――
彼女が人を引き連れて病院へ乗り込み、私の顔を指差して言うまでは。
「玉島専務を陥れるために、人を雇ったのはあなたでしょう!」
さらに彼女は、香奈美が産んだばかりの子どもをすり替えた。
私が自分の手で貼り付けた偽造防止の出生マークは、赤ちゃんのお尻から消えていた。
香奈美は取り戻された我が子を抱きしめ、身体を震わせながら泣いた。
大女将は車椅子に座ったまま、冷たい声で言った。
「茶谷家の帳簿を調べなさい」
「一つも見逃してはいけません」
後になって、彼女たちは知ることになる。
私の大切な親友・香奈美が玉島督へ向けていた優しさは、すべて私にお金を渡して悪役を演じさせるためのものだったのだと。
けれど、彼らが見たものは――
千円の胃薬。
八百円の青汁パウダー。
四百円の避妊具……。
一体、誰が私を悪人だと言えるのだろう。
茶谷優菜は私を見つめた。
唇を震わせながら、何も言葉にできない。
そしてとうとう、怒りのあまり気を失った。
ただ一人。
いつも何を考えているのか分からない玉島蓮だけが、廊下の奥に立っていた。
彼は私を見つめていた。
その瞳には、私にはまだ読み取れない何かが宿っていた。