前世を夢に見て後悔する夫――でも、死に戻った妻はもう振り返らない
ぷらら
恋愛現代恋愛
2026年10月09日
公開日
17.1万字
連載中
前世の緑は、有名な医科大学を卒業したにもかかわらず、自らの未来を捨て、真也の妻となる道を選んだ。
良き妻として、優しい伴侶として、彼に尽くし続けた。
真也との結婚が大きな賭けだと分かっていた。それでも、真也だけは自分を負けさせないと信じていた。
しかし緑は自分を過信し、白井家における養女の存在を甘く見ていた。
三年間、従順に尽くし続けた末に待っていたのは、白井家の養女の罪をかぶって投獄されるという残酷な結末だった。
獄中で癌を患ったうえ、最後には養女へ腎臓まで提供させられ、手術台の上で無残に命を落とした。
ところが再び目を開けると、真也と結婚する前に戻っていた。
もう愛など信じない。
今度こそ真也とは別の道を歩むと決めた緑は、真也がどれほど優しく接してきても、そのたびに冷たく背を向ける。
善人ぶって近づいてくるあの女にも容赦はしない。偽善の仮面を徹底的に引き剥がしていく。
何としても真也から離れなければならない――。
だが、真也はまるで別人のように変わってしまった。
成熟した気品も、冷静で落ち着いた振る舞いも消え失せ、毎晩のように緑のベッドへ入り込んでは、彼女を離そうとしない。
そして無理やり抱き寄せ、何度も甘く懇願する。
「俺が悪かった。お願いだから、俺を置いていかないでくれ」
緑は知らなかった。彼女が疲れ果てて眠りにつくたび、真也がベッドのそばに座り、夜が明けるまでずっと見守っていたことを――。