記憶喪失の私は夫の女子学生との浮気を知り、離婚カウントダウン中に記憶を取り戻すと夫は再び私に恋をしていた
高風
恋愛現代恋愛
2026年10月21日
公開日
3万字
連載中
深夜、眠れずに夫に背を向けたままスマホを眺めていた私は、ある匿名掲示板の投稿を見つけた。
【離婚まであと10日。妻が急にまともになったんだが、どうすればいい?】
開いてみると、画面いっぱいに投稿者の妻への不満が並んでいた。
妻は神経質すぎるし、支配欲も強い。
いつも居場所を報告させ、行動を監視し、交友関係まで制限してくるらしい。
少しでも気に入らないことがあると、彼女は大声で騒ぎ立て、ほんの些細なことで吐きそうになるまで泣き続ける。
あるいは、無視を決め込んで連絡先をブロックし、いつまでも冷たい態度を取り続けるのだという。
私はコメント欄に
「彼女は記憶を失って、トラウマまで忘れてしまったのよ。虐げられることに快感を覚える人でもなければ、あなたなんか好きになるわけないでしょ」と書き込んだ。
すると、夫にブロックされた。
けれど私は、交通事故で記憶を失い、身近な人の名前さえ分からなくなっていたのだ。
一方、夫は三年間も援助している女子学生をひた隠しにしていた。
毎月の送金、定期的な訪問、マンションまで買い与えて生活の面倒を見ていたのだ。
そして、その女子学生が自ら乗り込んできて、妻の座を奪おうとするまでは。
その後、私の記憶を取り戻すために、二人で思い出の場所を巡る旅に出た。
すると夫は、再び私を愛するようになった。
彼は知らない。私の記憶が、少しずつ戻り始めていることを。
さらにその後、私たちの結婚式が行われた海辺で、彼はもう一度私にプロポーズした。
なんて美しい、壊れた愛が再び結ばれる瞬間なのだろう。
けれど私は、彼にこう告げた。
「私たち、離婚しましょう」
私たちがずっと見落としていた場所で、実はもう一人、何年も前から私を愛し続けていた人がいたのだ。