作家インタビュー:月越瑠璃——美しい文章表現に惹かれ、小説執筆を始めたネオページ編集部2024年09月18日

すでに作家としてスタートを切っている方々に、作家生活についてのさまざまなお話を聞く「ネオページ・インタビュー」。
今回は、美しい文章表現に惹かれ、小説執筆を始めた「月越瑠璃」さんにお話を伺いました。


——まず、自己紹介をお願い致します。

月越瑠璃 月越瑠璃(つきこし るり)と申します。
本業は医療職、兼業で文筆業のフリーランスをしております。
ネオページさまとはサイトオープン時からのお付き合いで、契約作家をさせていただいております。


——小説家を目指したきっかけは何ですか?執筆活動で影響を受けた作家や作品はありますか?

月越瑠璃 0歳児育児中、「母」という生物の文化度の低さに耐え兼ねていた時期がありました。そのころにちょうど読んだ『月魚』(三浦しをん著・角川書店 ※現KADOKAWA)の文章の美しさに感銘を受け、爆発的に小説執筆を始めました。
それゆえ大々的に小説家を目指したスタートではなかったのですが、美しい文章表現のとりこになり、今に至ります。


——今回の新作を簡単に紹介してください。また、このような作品を書こうと思ったきっかけは何ですか?

月越瑠璃 この度ネオページさまにて長期連載させていただいているのは、『針が刺せなくなったナースは』という一般文芸作品です。針にトラウマを抱えてしまった看護師の主人公が、針刺し業務のない精神科訪問看護やカフェ&バー「Toute La Journée」での勤務を通して自身の世界を広げていくお話です。
この作品は、もともと公募へ出すために温めていたメモ書きでした。「日常」を題材にしたヒューマンドラマを書きたいと考えていたところに連載のお話をいただき、担当編集者さまと話し合った上で現行のストーリーに落ち着きました。


——作品の魅力を表現するために、通常どのような技法や要素を取り入れていますか?

月越瑠璃 視線や口元、指先の動きなどの細やかな身体の動きを描写するようにしております。また、セリフにしてしまうと伝えたかった心情の質量と異なる場合があるため、地の文により力を入れておりました。


——今回の連載新作で、読者に特に注目してほしい点は何ですか?

月越瑠璃 起伏がやや緩やかな作品ですが、各所に主人公たちが成長するカケラをちりばめながら執筆しております。宝探しのように楽しんでいただけますと幸いです。


——初期に「ネオページ」とやり取りをしていた際、どのように感じていましたか?

月越瑠璃 やり取りが丁寧なタイプの詐欺かと思っておりました。笑
サイトオープン前の契約でしたので、どのような会社なのかも十分に分からず、お声がけいただいたタイミングでは疑心暗鬼でした。(もちろん詐欺ではありませんでした。笑)


——「ネオページ」と契約する決め手となったものは何ですか?

月越瑠璃 やはり「お仕事として小説を執筆する」というチャンスはそう何度も巡ってくるものではないため、今回ご依頼をお受けいたしました。
担当編集者さまがおひとり付くことも大変貴重な経験でした。感謝しております。


——契約した現在、「ネオページ」との契約の形についてどう評価していますか?もし以前に不安に感じていた点があれば、現在はどのように感じていますか?

月越瑠璃 仕事で執筆した作品をきっかけに、お声がけいただいたような流れでした。
不安としては、オープニングの契約作家だったこともあり、前述している「契約を結ぶ時点で十分な会社概要が分からなかったこと」が挙げられますが、これはサイトオープン後の現在では解消される問題かと存じます。そして「莫大な契約文字数」にも多大な不安を感じておりましたが、初稿を提出する際にフィードバックがありますので、そちらを参考にしながら現在も書き進めております。
また、根本的なことにはなりますが、これまであまりweb小説になじみがなかったこともあり、構成や章割りなどにつきましても助言をいただきながら執筆しております。
初めてのことばかりですが、見守っていただきありがたい限りです。


——執筆中に直面する主な悩みや課題は何ですか?逆に、最も楽しいと感じる瞬間はいつですか?

月越瑠璃 悩みは、生々しい題材が苦手なことです。ネオページさまでは、そういった項目がNGになっているので逆に助かっておりました。課題としては、やはり語彙力の強化です。執筆歴2年目の今年は、フレーズを作るときに「過去作でも似たような言い回しをしていたかも……」と立ち止まることが多くなりました。インプットを増やし、表現の幅を広げていきたいです。
一方で、執筆中に楽しいと感じる瞬間は、既視感のない設定やストーリーラインを生み出せたときです。それほど多いことではありませんが、新人賞を意識して書くようになってからは、常にその部分で戦っている気がいたします。


——「ネオページ」からどのような支援を期待していますか?現在、「ネオページ」の編集者との交流で感じていることは何ですか?

月越瑠璃 幸運にも、ご縁があった担当編集者さまは紳士的な方でした。お忙しい中でも、不明点や相談ごとには親身に対応してくださるのでとても助かっております。また、作品を長期にわたり読み、建設的な感想や助言をいただける今のスタイルは、とてもありがたいです。


——一日のうち、どれくらいの時間を執筆に割いていますか?「ネオページ」の契約作家になってから、日常生活と執筆活動のバランスはどのように取っていますか?

月越瑠璃 本業(医療職)や家庭・育児があり、まとまった時間を取ることは厳しく、執筆時間は1~9時間/日と振れ幅が大きいです。具体的なタイミングとしては、本業が休みの日の日中や、子どもの寝かしつけを終えてから深夜1~2時ごろまでの間で、公募原稿とのバランスを見ながら連載原稿の執筆をしております。


——周囲に執筆活動を支えてくれる、または応援してくれる人はいますか?応援してくれるファンに向けてどのような言葉を贈りたいですか?

月越瑠璃 執筆1年目は、公募用原稿をスマホ執筆していただけでしたので、執筆の件は創作お友だち数人にしか打ち明けておりませんでした。執筆2年目の今年は、仕事になったこともあり、夫にも話しました。(ぼんやり)
いつも読んでくださっている方々には、大変感謝しております。感想コメントを送ってくださる方もおり、執筆活動を続けていく上で間違いなく大きな支えです。
日々修行中ではありますが、来年、再来年とどんどんブラッシュアップできるように、このネオページさまでの商業連載を始め、さまざまなところで経験を積んでいきたいと考えております。その成長過程もあわせて楽しんでいただけますと幸いです。


——今後どのような作品に挑戦したいと考えていますか?

月越瑠璃 頭脳派な作品やちょっぴり妖艶な作品にチャレンジしてみたいです。


——小説家としての活動で達成したい目標は何ですか?今回の契約がどのような影響を与えたと思いますか?

月越瑠璃 書籍化です!
自分が紙の書籍ユーザーであることもあり、やはり書籍化には憧れがあります。改稿前提でも新作執筆でも、なにかお話が繋がればこれ以上のことはありません。
契約後の評価については、商業連載を始めたばかりのため評価できかねますが、スカウトいただいてから運が巡ってきたような気がいたします。この良い風向きを力にしていきたいところです。


——「ネオページ」の今後の発展に対してどのような期待を抱いていますか?

月越瑠璃 個人的には、純文学や一般文芸のジャンルがさらに盛り上がることを願っております。



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