「宇宙一〇〇な小説!・・・たぶん!」レビュー募集企画に、たくさんの素敵なレビュー投稿をありがとうございます!
第7回のテーマ「現実世界編」に沿った作品に寄せられたレビューの中から、運営チームが特に魅力的だと感じてピックアップした4件をご紹介します!
①
レビュー詳細
飯テロ注意!!! 登場する料理の数々が、誰でもイメージしやすい家庭料理だからこそ、まずは声を大にして伝えたいです。 定食屋出身の女子高生「なづな」が、高校の剣道部寮で部員たちの日々の食事管理を任されるという、青春ものであり部活ものであり、どこかお仕事もののようでもあるストーリー。 この剣道部というのが全国大会を目指す強豪で、部員たちの意識の高さはもとより、選ばれしレギュラー候補だけが剣道部寮に入れるシステムなど、徹底した実力主義のガチの部活。 そんな中で、剣道なんて知らないなづなの意思表示の手段は料理だけであり、料理を通してクセのある部員たちと体当たりで接していくというのが痛快です。
部員たちが抱えている問題も様々で、全国津々浦々から集まった地域差による派閥争いを軸に、その矢面に立つ部長と副部長の対立。 はたまた、強豪の中で実力の壁にぶつかる者。 さらには、憧れと恋が混ざったような恋愛事情(百合)などなど。 部員みんなが思春期らしい悩みを抱えています。 それらが一人一人丁寧に描かれているので、登場人物が多い中でもそれぞれの個性が際立ち、物語としての飽きもありません。 当然ながら、部員の悩みにマネージャーとして向き合うことになる主人公の苦労と頑張りも、見どころの一つです。 料理の使われ方も様々で、誰かを元気づけるために腕を振るうこともあれば、ちょっとしたおやつで談笑を楽しんだり、体調を崩した先輩に看病の料理を作ったり、はたまた盛大なバーベキューでみんなで盛り上がったり。 必ずしも誰かの悩みに関わるばかりでなく、日々の生活の中で当たり前にある、日常と隣り合わせの「食」という色を強く感じます。 定食屋で鍛えた料理の腕前を披露するなづなも、とても頼もしく、カッコいい。 飯ものである以前に、料理人としての成長物語である点も大きなポイントかもしれません。
そんななづなも、大きな問題を一つ抱えています。 いずれ、克服する時は来るのか。 まだまだ序盤だと思うので、描かれきってない他の部員たちとの交流も。 そして、まだ見ぬ次の料理も。 楽しみなことがいっぱいです。 料理も、青春も、恋愛も、人間ドラマも、笑いも、感動も、全部欲張ってお腹いっぱいになれる。 そんな作品です!
対象作品
とある高校女子剣道部の合宿メシ
現実世界
|
グルメ・料理
日常感動百合
②
レビュー詳細
文庫一冊分の文量で完結していて、とても読みやすい作品。 現実世界を生きる勇者と魔王のお話ですが、バトルものではなく毎日のふたりの生活がメインです。 勇者により力を失った魔王と、小さな子供を育てる勇者。そしてそんなふたりを見守る喋る剣。そのうち2人は子供を鎹に距離が近づいて行くも、生活は決して平坦ではなくて…… 【家族】のために自分を切り捨てることも厭わない勇者の姿に、母性にも似た勇者としての覚悟を感じます。 勇者と魔王を題材にした作品で、こんな風なアプローチで来る作品を読んだのは初めてで、彼らの将来の幸せを願わずにはいられませんでした。 完結はしていますが、その後の彼らを見てみたい。続きを読みたいと、そう思わされる作品です。
対象作品
行きて還りし物語
現実世界
|
現代ドラマ
シリアスバディ死に戻り
③
レビュー詳細
本作には、主人公の大学生泰生の友情や音楽を絡めた日常が描かれていますが、主軸は彼の人間関係の修復と発展だと思います。泰生は、リア充どころかむしろ目立たない学生で、人と打ち解けるのがあまり得意じゃないように最初は見受けました。でも、友人との仲が拗れて吹奏楽部を退部したところに大学の管弦楽団へ強引とも思われる勧誘を受け、なし崩し的に入団することになり、そこから徐々に彼の人間関係が広がっていきます。管弦楽団の仲間だけでなく、バイト先のマスターや大学の先生とも打ち解けられます。それに教会の牧師とも知り合ってちょっと深い話もできるようになり、恋の予感までちょっぴりし、家族の団欒もあります。牧師さんの言葉は含蓄あってとてもよかったです。
泰生は、友情が壊れたと悩む場面もあるし、恋人とラブラブいちゃいちゃしているわけでもありません。ちょっとセンシティブな性的志向の問題も出てきます。だけど、彼の大学生活からは大人(大学生も年齢的には大人ですが)がとっくに失った青春を思い出せて眩しく思えました。特に番外編は大学の部活の合宿のわちゃわちゃした楽しい雰囲気が伝わってきて青春だなぁと感じました。 後は、京阪電鉄龍谷大学深草駅(京都市伏見区)から樟葉駅(大阪府枚方市)の区間あたりの京都で通勤通学している方々や、吹奏楽や管弦楽をやったことのある方々には、本作をトリビア的に楽しむこともできるかと思いました。でも吹奏楽と管弦楽の楽器の編成の違いとか、弦楽器に使う松脂のこととか、音楽音痴にも新鮮でした。
対象作品
夏の扉が開かない
現実世界
|
現代ドラマ
日常青春大学生
④
レビュー詳細
第二甲府高校に古くから伝わる、「修学旅行中に女子の部屋へ夜行って告白すれば成功する」という謎の恋愛奥義。
「んなわけあるか」・・・社会のしがらみに染まりきった大の大人なら、2秒と考えずに分かることだろう。
しかし、ここにいるのは「本気」と書いて「バカ」と読む、青春真っ只中の男子高校生たち。そう、彼らには世間の常識など関係無いのである!(参考:レビュワーの高校にも「○高の常識は世間の非常識」という迷言がありました。マジで)
今宵、沖縄・国際通りで引いたおみくじに導かれし一人のバカ・その名も松田が、中本への恋心を成就させるべく、バカで頼れる(?)仲間たちと共に伝説へと挑もうとしていた!
しかし、そこに立ちはだかるは、今までに500人もの男子生徒を精神的に処刑してきた「山梨のキラーマシン」こと生徒指導主事・高橋を筆頭とした教師陣!
果たして、松田の想いは、神と伝統と下心パワーで中本へと届くのか・・・・・・?
「いや、いくら男子高校生でもここまでバカじゃないだろ」と内心思いつつも、「いや、やっぱりこんなもんだったかもしれねえ」という存在しない青い春がありありと浮かんでくるような、まさに青春の物語です。
・・・・・・でも、社会のしがらみに染まりきったレビュワーはキラーマシンの方を応援してます。バカ男子の集団に突撃される(かもしれない)中本さんが哀れに思えてきたので(笑)
対象作品
行け男子たち。生活指導のその先へ~修学旅行大作戦~
現実世界
|
青春学園
コメディポンコツ成長
当選および賞品受け取りについて
レビューが選出された方には2025年7月中にサイト内のメッセージにてご連絡いたします。Amazonギフトカード送付は、2025年8月頃を予定しています。
※諸事情により、賞品の発送が遅れる場合もございます。
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