あらすじ
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大人気フルダイブ型VRゲーム「至高の魔術師」を世界最速でクリアした主人公。続編のベータ版テストプレイヤーに選ばれた彼は開発元の企業を訪れるが⋯⋯ヘッドマウントディスプレイをかぶってログインした途端、視界に入ったのはあまりにもリアルすぎるゲーム世界だった。しかも、自らは前作で閑職に追いやられた王国騎士のひとりで、開始直後に追放される羽目に⋯⋯。無職から始まるハードモードをプレイするしかない状況だが、ゲーマー魂と持ち前の知識を騒動員して窮地に陥った騎士職の再興を決意する。 「至高の魔術師」はやり込み要素多数、フリーシナリオによるマルチエンディングで真のエンディングと呼ばれているものはひとつしかないといわれている。近接戦闘や詠唱時間が弱点だった魔術師は、無詠唱での魔法発動が可能となる魔道具を開発し作成することが最適解だった。主人公はそれに早い段階から気づき、素材収集や錬金スキル、魔法陣の小型改良化にターゲットを合わせてプレイしていたのだ。それによって従来戦闘職の花形だった騎士の支援担当(閑職)から脱却し、立場を逆転させて魔術師の地位を至高の位にまで昇格させたのである。しかし、続編となる「騎士の逆襲」では、前作で閑職に追いやられた騎士職の復興がテーマに掲げられていた。閑職に追いやったプレイヤーが自ら事態を収拾するとは皮肉なハードモードである。閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-09-02 22:43作者のひとりごと作者のひとりごと2025-09-02 22:43創意工夫ありし者創意工夫ありし者
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つけとレビュー
小説家になろうで執筆を開始して約5年。代表作は1000万PV超を突破。しかし、コンテストなどでは二次選考落ちの常連というマニアック(商業的には万人受けしない?)な作品ばかり書いています。 執筆傾向は異世界物やガンアクション、超能力、知識無双ものなど。ファイナンシャルプランナー有資格者で特技は家のプランニングや自動車の査定、趣味はジム通いと小説執筆、読書や映画観賞など。ゲームはあまりしないけどPUBGmobileはダイヤモンドクラスです。有栖川有栖先生や綾辻行人先生の推理小説、大薮春彦先生や大沢在昌先生、北方謙三先生などのハードボイルド小説が大好きです。 晴れて2025年7月にNEOページの契約作家になりました。新作を間もなく投稿致します。初のゲーム内転生、MMORPGものです。乞う、ご期待!閉じる
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冒険者ギルドの特命執行官
冒険者ギルドの特命執行官印象に残りにくい顔。 それがその男の特徴といえば特徴だった。 ヒューマンにエルフにドワーフ、それに獣人など雑多な人種が行き交う街では特に目立つことはない。 強いていうならば、時折見せる視線の動きが普通の者でないことを物語っている。 高位の冒険者や練達の武芸者のみが辛うじて気づくであろうその鋭さは、その男の真の職業を物語っているといえよう。 冒険者、それとも傭兵か。 そう一括りにすれば、日常から命のやりとりを行っている人物だと思える。 しかし、人と接する時の弛緩した表情、それに装備を見ればどことなくおかしいことに気づく者もいるだろう。 この男は子どもや老人に対して屈託のない笑顔を見せる。そこには傭兵がまとう殺伐とした雰囲気も、その日暮らしな冒険者の刹那さも見受けられない。 そして魔物や敵兵を相手にするには明らかに不利だといえる刃渡りの短いナイフをぶらさげ、防御力を期待できない軽装に身を包んでいた。 人畜無害、素朴な青年。 その印象が偽りであることを知る者は少なかった。 これはチートなしで異世界に召喚され、名を馳せることなく世界を救うひとりの専門的冒険者(スペシャリスト)の物語である。 ハードボイルドな主人公(シリアスターン)が世の不条理(ギャグターン)に翻弄される異世界奇譚開幕。
超能力者は苦笑いしか浮かべない
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