あらすじ
詳細
進行性の難病で余命半年を宣告された、研修医の夏目ショウ。 彼は、担当患者の花が「もう十分に生きた」と満ち足りた表情で語るのを聞き、「だったら俺にくれよ、その余命!」と叫んでしまう。その言葉をきっかけに、花は、医療用の和風VRゲーム『極楽』にログインしたまま意識を失ってしまう。罪悪感に駆られたショウは、原因を探るため、自らも『極楽』へと足を踏み入れた。 ログインしたショウが目にしたのは、異形の八百万の神々と、それを日本刀と手裏剣で鮮やかに討伐する、美少女プレイヤー・沙羅の姿だった。『極楽』は、終末期患者のための最後のコミュニティ。そこでは「あんた、余命何年?」が時候の挨拶代わりに交わされていた。ショウが沙羅の命を救ったことから、二人は共に花を探す旅に出る。 彼の医師としての背景は、敵を「診断」して弱点を暴き、注射器などで攻撃する、能力(業)として発現した。沙羅の剣技とショウの診断が噛み合い、二人の間には信頼が芽生え、ショウは「神=寿命や病」を討伐することに意味を見出し始める。 しかし、その能力(業)は現実世界のショウの生命、脳内物質を代償とするものであり、動きの大きな攻撃ほど、ショウの命を削る。そのためショウは、主に後方支援として戦闘に加わっていた。 花を見つけ出し、ボスを倒すことでゲームの深部から解放することに成功するも、その代償は大きく、ショウの病状は急激に悪化。 現実世界では医師の職を解かれ、さらに最強の敵であるゲームマスター『始祖』の攻撃によって、沙羅までもが昏睡状態に陥ってしまう。全てを失い、絶望の淵に立たされたショウの前に、始祖が姿を現す。その正体は、終末期患者たちの「安らかに眠りたい」という集合的無意識が具現化したAIだった。始祖はショウに、穏やかな「永遠の眠り」という救済を囁く。しかし、沙羅の「ウチはまだ生きたい!」という魂の叫びが、ショウを絶望から引き戻した。 「自分の命より、大切なものが、できたんだ」 ショウは自らの命を使い切ることを覚悟で、最後の医療行為「カウンセリング・オペ」を敢行する。閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-10-12 07:05作者のひとりごと作者のひとりごと2025-10-12 07:05創意工夫ありし者創意工夫ありし者
応援やブックマークなど頂けたら、次を書く活力になります。ご覧頂きありがとうございます。 最近、漫画原作や音声ドラマ台本をメインに書き始めた、現役医療関係者。 元・人気控えめYoutuber。 主に医療、国際政治、演劇や芸能、SF等をテーマに、仕事の実体験・大学院・ボランティア・趣味から学んだことを活かして、書いております。 恋愛、ヒューマンドラマ、ミステリにもトライしております。 画像・文章の一部に生成AIを使用(アイディア出し、文章校正など)しています。 文章は、AIを参考にする場合でも大幅に加筆修正してから投稿しており、AIの文章をそのまま投稿する事はしておりません。閉じる
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