魔法少女特別養成機関中等部二年。
元は黒髪黒目だったが邪因子投与及び聖石への侵食により、常時白に近い灰色の髪と邪因子活性化時のみ碧眼へと変質。
髪型は基本肩先まで伸ばしたロングだが、戦闘時は自動で束ねられポニーテールに近い物に。
イメージカラーは青。変質後は黒。
変身状態は、変質前は空色を基調としたどこかSFチックな西洋風軽鎧と長剣を携えた姫騎士。
変質後は色彩が黒に変化し、腕甲や脚甲の所々から紅い刃が覗く黒騎士スタイルに。それに合わせて長剣もやや柄が刺々しく変貌し、目元を隠す様な薄紫色のバイザーも装着されている。
魔法少女として日々悪心から人々を守っていたが、第一次悪心大量発生の際に重傷を負い、ピーターに邪因子を打ち込まれる事で命を拾う。ただしピーターに拾われた状況から、世間では死亡に限りなく近い行方不明扱いをされる。
当初は早く自身の生存を世間に(特に親友であるコムギに)伝えるべく施設から脱走しようとしていたが、親身になって治療しようとするピーターやジェシーを始めとした職員達に絆され徐々に頻度は減っていく。
しかし完治目前で第二次悪心大量発生により、外で必死に戦うコムギの姿を見て我を忘れて脱走。追いかけたピーターがアズキを庇って手傷を負い、親友と恩人が目の前で窮地に陥るという事態を目の当たりにする。
無力感と自責の念、そして何が何でも大切な人達をこの手で守るという思いの下、邪因子の追加投与による不可逆の変身を決意。
こうして、正義の魔法少女は友の為に悪に堕ちる。
現在は現地協力者という名目で施設に一室をもらい、リーチャーの活動に協力している。……と言ってもやっているのは専ら悪心対策の知識の共有や魔法少女のデータ取り、あとは身体が鈍らない程度の訓練や自主勉強程度で、世間一般で言う所の悪行は行っていない(リーチャー側がさせていない)。
性格はクール系で話の分かる優等生キャラ。人間関係は広く浅くが基本であり、表面上の友人は多くとも親友レベルになると極端に減るタイプ。
コムギ大好きっ子。コムギが関わると良くも悪くも行動力が跳ね上がり後先考えなくなる。
これは永星家の女性は基本一定以上の好意や興味を持った相手に執着する血統であり、コムギはアズキにとってのそのラインを易々とぶち抜いた上今も上昇中のため。現在そのラインに少しずつピーターとジェシーが近づいている。
ピーターに対しては、恩人で頼れる大人だと考えている。そこに含まれるより正確な感情は本人もよく分かっていない。
家族との関係はやや不仲。少なくともアズキはそのように感じていた。しかし現在はコムギの尽力により改善の兆しが見られる。
ピーター
リーチャーの新米幹部。
見た目は二十歳ぐらいのどこか中性的な優男。少し緑がかった髪を肩に届かない程度まで伸ばし、同色の瞳は基本穏やかな雰囲気を醸し出している。
身長は160半ば……に見えるが、実はシークレットブーツでサバを読んでおり実際はギリギリ160センチほどで男性にしてはやや小柄。これも中性的に見える要因の一つ。
イメージカラーは緑。
幹部になって初めての任務に気合を入れていたのだが、調査にやってきた場所は悪心に魔法少女と厄ネタばかり。
それでもめげずに調査活動に取り組んでいたのだが、ある日死にかけの魔法少女を拾った事で運命が流転する。
色々規則を曲げてまで命を救ったのだから、せめて情報の一つでも手に入れるぞと、アズキには終始損得勘定をもって(少なくとも本人はそのつもりで)接する。ただ完治まで面倒を見ようという時点で……。
そんな中、もう少しで完治するという所で第二次悪心大量発生によりアズキが脱走。悪心の対処を職員達と乱入してきたネルに任せ、連れ戻すべく追いかける。
そして追いついたものの、悪心の襲撃に遭いアズキを庇って手傷を負う。それによってアズキが変身の覚悟を決めてしまい、ピーターとしてはもっと上手く出来た筈だと内心少し後悔している。
現在はアズキを現地協力者に任命し、施設の復旧や調査活動の続きなど仕事に忙殺されている。
新米だが幹部なので邪因子の総量はかなり高め。ただし幹部全体で見るとやや平均より低め。どちらかと言うと量を質や特殊能力で補うタイプ。
特殊な眼を持ち、対象の身体を流れる邪因子を視認できる。その為邪因子持ちが相手なら少し行動を先読みできるという特技がある。分析官としても素養は高い。
変身体は自称トカゲモチーフ。ちなみにアズキを助ける際に片腕しか変身しなかったのは、全身変身すると諸都合により他の魔法少女に感知されてしまうため。
ちなみに全身変身体を見た事のある職員曰く「全身変身は疲れるとか制御が大変とか言ってあんまり周りには知られてないけど、以前見た時は人間大から急に家みたいにでっかくなって空を飛んで時々ブレスを吐いてたわ。普段からガンガン使えば舐められる事もないのにね」とのこと。
性格は割と小物系で苦労人気質。請け負った物事に対しては慎重に(ビビりとも言える)かつ真面目に取り組むが、基本事なかれ主義で面倒事は極力避けるタイプ。急激な発展よりも穏やかな現状維持を選びがち。幹部になってからはよりその傾向が強くなった。
それはそれとして(本人は嫌がるが)修羅場は幾度となく経験しており、本当にいざとなったら嫌がりながらも腹を括って大勝負にも出られる人。
また穏健派としても組織内では知られており、命令とあれば人を傷つける事も覚悟しているが、基本は粘り強く対話を主とした交渉を進め暴力はあまり好まない。
職員達との関係はかなり良好。幹部としてふさわしくあろうとやや居丈高に職員達に接しているが、職員達からすれば善性が透けて見えるし待遇も悪くないので寧ろ好ましく思われている。……少々舐められ気味でもあるが。
アズキに対する態度は完全に大人が子供に接するそれ。超が付く問題児のネルと長く付き合ってきたので子供の扱いはお手の物。ただアズキの悪堕ちの一因になってしまった事もあり、時折幹部としてではなく個人的に気にかけている。
ネルは……友人兼未来の上司。幾度となく面倒を掛けられ、ウザ絡みされ、スパーリングの相手に付き合わされ、肩書上では自分の方が偉いのに散々振り回されて胃痛の種。
しかし、
ジェシー(ゼシカ)
悪の組織の女医師。本名はゼシカだが、他者からは愛称のジェシーで呼ばれるのを好む。
髪先を軽く跳ねさせた短い金髪の若い女性。常時活発かつ朗らかな態度を崩さない人。
こう見えて施設内ではそこそこ偉い方であり、ピーターや副長に続いて各部門のトップと同列くらい。しかし生来の気性もあってかなりフレンドリーなタイプ。
医師だけあって相手の心情を読み取る事には長けており、医療部門持ち回りで施設内職員のカウンセリングも請け負っている。
現在はアズキの担当医のような状態になっているが、これはそれだけアズキが元魔法少女の邪因子持ちという特殊な立ち位置に居るとリーチャーとしては判断しているため。……ピーターが個人的に気にかけているという理由もあるが。
実は変身も可能な邪因子持ち。
ネル・プロティ
自称いずれリーチャー首領になるレディにして、悪の組織の雑用係見習い。
腰まで伸びた薄い水色のツインテールをたなびかせる、同色の瞳を持つ中学生ほどの見た目の少女。
青い上下の作業服を身に纏い、腰にはこまごまとした小道具や愛用のキャンディーが詰まったポシェット型のホルダーを引っかけている。
“小さな暴君”“災害級のクソガキ”“変わらずの姫(これは現在あまりよばれていない)”等の異名を持ち、やらかした数多くの悪行及びそれなりの偉業から、本部では割と有名人。
傍若無人にして天衣無縫。全体の秩序よりも自身の感情を優先する気質。
類まれなる邪因子量を誇り、それでいて戦術の才はともかく戦闘の才はリーチャー全体でも群を抜き、ピーター曰く全力を出せばピーターの支部の全職員(自分を含めて)を一人でまとめて相手取って勝てるとの事。
戦闘スタイルはどこまでもシンプルに、全身に邪因子を行き渡らせ敵を殴って蹴って粉砕していくストロングスタイル。
おまけに力押しだけではなく、やろうと思えば戦っている相手の技を即興で真似したりアレンジを加える技巧もあり、触れられるほどの邪因子を放出して障壁を張る事も出来る。
ただ性格や戦闘スタイル上、どうしても中間管理職は向いていない。事務仕事など十分もすれば飽き始めてサボる算段をするほど。
現在はピーターの支部に出向しているという扱い。雑用係見習いとして仕事を頼めば引き受けるが、高確率で何か壊したりやらかしたりするので最終兵器扱い。特にピーターの胃に甚大なダメージを与えている。
どうやら妹が居るらしいが詳細は不明。
ピーターとの関係は
ただし、ネルにとって大半の職員は下僕としてすら認識していない有象無象であり、数少ない
もし
“自分のやりたい事、やるべきだと思った事、やらなきゃいけない事を、たとえ誰かをぶっ飛ばしてでも世界の迷惑になってでもやる”。それこそが彼女の掲げる
魔法少女特別養成機関中等部二年。
通常時は明るい茶髪をハーフアップにしたショートボブに鳶色の瞳。背丈はほんの僅かにアズキより低い程度。
魔法少女に変身時は少し巻き毛の金髪に変化し、桃色と薄紅色を基調とするひらひらとした服とハートのような装飾の付いたステッキが固有装備となる。
明るさと優しさを併せ持った善性の性格。コミュ力もかなり高く、以前は深い所まで人と触れ合う事を拒絶していたアズキのコミュ障な面が改善されるほど。……代わりにアズキからの矢印がとんでもない事になったが。
アズキとチームを組み、魔法少女として活動していた。しかし第一次悪心大量発生で手分けして悪心の被害を抑えている時、アズキが戦闘中に行方不明となる。
当初戦闘の跡地から発見されたアズキの固有武装が目の前で消失した事から、アズキが死んだと早合点して絶望しかけていたが、最後の通信で言われた「ワタシが居なくなったからって全てを投げ出さず、前を向いて歩きだしてほしい。……アナタはワタシにとっての、誰かにとっての光なんだから」との言葉を思い出して再び立ち上がる。
ただ立ち上がれこそしたものの精神はやや不安定であり、魔法少女活動も通常チームで行う所を一人でこなしていたため色々と擦り減っていた。
そんな中、第二次悪心大量発生により窮地に陥っていた他のチームを庇い、単身悪心の群れと相対する事に。
途中目を負傷しても尚諦めずに戦闘を続ける中、アズキの乱入により危機を脱する。戦闘後、自分はもう人外だからと自嘲しながら去って行こうとするアズキを引き留め、そんなの関係ないと力強く宣言した。
こうして今はアズキとの再会の約束を信じ、また魔法少女として復興活動の協力を行っている。