水無月彩椰
現代ファンタジー異能バトル
2024年07月16日
公開日
9.7万字
連載中
没落華族の小説家、綺月彩佳は、怪異による兄との離別をきっかけに『一度見たものを決して忘れない』異能力に苛まれていた。いつか怪異というトラウマを克服し、兄の死の真相を追い求める──そう決意していた彼の前に現れたのは、『定期的に記憶がなくなる』という給仕が生きがいの猫又の少女、こまねと、すべてがベールに包まれた青年、通称”堂主”。
そんな二人が看板を掲げるのは、東京都・某書店街の一角にある、深夜しか営業しない古書店”丑三堂”──しかしそこは魑魅魍魎による怪異を調査・解決するための、異能力者による探偵事務所だった。過去の強いトラウマを抱える”似た者同士”の異能力者はお互いの境遇を詮索しない。そんななか、彩佳はこまねの異能に意義を見出し、丑三堂で自らの目標を果たすことに決める。
人間嫌いな人間、彩佳と、人間好きなあやかし、こまねの二人は業務上でバディを組むことになり、怪異への調査を堂主に任せられるが──。これは過去との清算を果たすべく、いつからか身に巣食うようになった異能と向き合う少年少女たちの物語。