和泉と一緒に、不動産屋で家の打ち合わせしてる。駐車場スペースを庭にしたいっていうのは問題なくできるって。後は間取りの再確認。とりあえずは最初に見せてもらった4LDKでいいんだけども……。
ワシは不動産屋の担当さんに聞いた。
『一度建てたあと、間取りとか変更したくなったらリフォームできますか?』
「できますよ」
『部屋増やしたり、二階にトイレとお風呂増やしたりも?』
「可能です、もちろん費用は掛かりますが」
『それならいいです。じゃあ、とりあえず最初の予定の間取りでお願いします』
和泉は不思議そうだった。
「トイレ増やしたいの?」
『ていうか、お前が結婚したり、ワシがまかり間違って誰かと結婚でもしたら必要だろ』
「えっ……」
和泉は、あっけにとられた顔をした。
『ワシはお前から離れる気ないんだからな!何かあっても同居だ!』
「そ、それはうれしいけど……そうか……そうなる可能性もあるのか……」
和泉は頭を抱えてしまった。あれ、こう言えば安心してくれると思ったのにな? ずっと一緒にいられるようにするって、何かあってもちゃんと一緒にいられるようにするって言いたかったんだけどなあ。
『なんか嫌だったか?』
「……えっと、その……どんな形でも、ずっと一緒に暮らしたいです」
『それはわかってるよ』
なんかまだ、和泉を安心させるのに足りないのかな? うーん、錦くんにばっかりかまけてるつもりないけど、和泉をもっと構ってやったほうがいいのかな? 毎日飯作ってやって、おやつも作ってやって、おしゃべりして、夜は一緒に寝て、けっこうかまってるつもりなんだけどなあ……。
考えても考えても、ワシは和泉がしょげてる原因がわからなかった。