縁と結びは桜野学園の廊下を歩いている。
これから自分のクラスの授業が始まるからだ。
そして、今回は本格的に縁主体の授業の開始。
「久しぶりの学校だ」
「今日は全員出席しているよ~」
「そうなのか」
「縁先生の本格的な授業だからね~」
「ああ、頑張るよ」
「気楽にやるといい~」
教室に入る生徒達が二人を見る。
絆、ツレ、ファリレント、未来、一本槍、石田
縁達は教室へと入り、教壇に立った。
「よっしゃ、全員揃っているね~私てか縁にちょっかいをかけてる奴らをぶっ飛ばしたからね、これで縁も先生に専念出来る」
「……しばらく見ない間に、皆成長したな」
縁はざっと生徒達を見て感心していた。
その中でも、一本槍の成長がずば抜けていた。
あの時、本気の結びとやりあった一本槍。
旅の修業の成果がでたのであろう。
「あ、一本槍は休学して旅に出てた間の、レポート提出しなさいよ~」
「はい、風野音先生」
「んじゃ、縁先生どうぞ~」
「ふりが雑だなぁ」
とは言いつつも本格的授業は初、縁は縁なりに緊張していた。
それと同時に今更ながら、自分が教えていいものなのかとも考えている。
「んじゃ、本格的な兎術を教えよう、昔教えたのは誰でも出来る技術、まあ科学と一緒だな、こうすればこうなると、だが本来は違う」
印を結ぶ、魔法陣で呼ぶ、それらは学習すれば誰にでもできる。
だが縁は神、神の技は理解不能だから神なのだ。
神そのものには無理でも、近しい事は出来る。
「神の技は理解出来ない力、それを人に当てはめるなら、他人に理解させない方法だ」
縁は指を鳴らすと、一羽の兎が教壇の机に現れた。
神様モードの縁と、同じ和服を着ている白い兎。
凛々しい顔立ちで生徒達を真っ直ぐ見ていた。
「これが俺の兎術、名は『
「おお、可愛い~」
結びは身丈を抱っこした。
すると凛々しい顔がほんの少しだけ、ふにゃっとなる。
「よし、訓練場に移動しよう、召喚の手段を教える」
縁達は学園の訓練場へと向かうのだった。