長谷川は荒野原が作った朝ごはんを食べていた。
今日の長谷川の予定は親友達と遊ぶ事。
久しぶりの加護持ちで集まる日である。
「んじゃ、行って来るよ荒野原さん」
「加護持ちで集まる日だったね~今日は妹のあゆさちゃんとイチャイチャしとくよ」
「はっはっは、妹の旦那さんにうらまれるなよ?」
「大丈夫です、姉妹としてです~」
そんな会話をして長谷川は自分の家から出発。
今日もいつものようにゲートへと向かいログインをする。
ロビーの待ち合わせ場所には、博識いずみが先に居た。
「お久しぶりですよ! 博識いずみちゃんです!」
「博識さん、お久しぶりです」
「ん!? 縁さんはさん付けでしたっけ?」
「ああ、名前の呼び捨てだったが……女性を呼び捨ては妻のだけにしようかなと」
「ふー! イケてる男子ポイントですねぇ!」
「そうなの?」
そんな話をしていると、グリオード、色鳥、シンフォルト、陣英がやって来た。
「お、ういっす、ほぼ同時はおハーブ生えるな」
「久しぶりですね縁さん」
「多分俺が一番最近縁とあったな……いや、それでも数ヶ月も前か……称賛に値しないな」
「隊長とはこの間あったらしいな、縁」
「皆久しぶり、そして一度に話しかけないで」
縁は久しぶりに会った親友達と握手を交わした。
一通り雑談した後に、色鳥が司会進行役になる。
「で、皆やりたい事は持ってきたか―」
「はーい、色鳥先生」
「はい博識さん」
「多分、皆襲撃イベントしか持ち合わせてないかと」
「説明を頼む」
「お任せあれ!」
いずみはここぞとばかりにメガネをエフェクトで光らせた!
「まず今回、色鳥さん発案でキャンプに行った設定ですよね?」
「ああ、リアルだと色々と面倒くさいし、皆の都合も考えなくていいしな」
「確かに、友情回復としてはいい演出です、ですが……簡単各々の状況を説明いたしましょう! グリオードさんは他国とのいざこざ中です、王様1人……私達も居ますが敵はそこを狙うでしょう」
「普通に考えればそうだな、すまない、イベントを考えろと言われてもそうなった」
「次に色鳥さんですね、色鳥さんの普段の行動は旅をして厄介事に首を突っ込んで解決する……つまりは恨まれて当然です」
「いやーすまないねー個人的な事を言うと、襲撃者イベント溜まっていて」
「ポイントカードじゃないんですから」
いずみのつまらないツッコミ。
親友達の集まりだからこそ、こんなくだらない事でも笑える。
縁が一番笑っていた、そして一度落ち着いて――
「陣英さんは傭兵稼業ですね?」
「いや、俺きは今回ゴタゴタ持ってきてないよ、皆のゴタゴタを解決しようじゃないか」
「あら」
「襲撃イベントなんて2、3回やればいいだろ」
「まあ確かに」
「私は今回……皆様の襲撃者に道徳を教えたいと思います!」
「あ、私も今回は解説をしましょう、一応皆様のロールは頭に叩き込んできました、現状は知っていますとも」
いずみはエッヘンと腰に手を当てた!
「縁さんも今神様とドンパチしていますよね?」
「俺も今回は何も考えてないよ、むしろ襲撃者を瞬殺しそうだ」
「お、その心は?」
「友人との時間を邪魔されて……怒らない縁の神にはなりたくない」
縁はここぞとばかりにドヤ顔をするが……
「おいおい、数ヶ月彼女……いや、将来奥さんとなる人とイチャイチャして俺達を忘れた奴の決め台詞か?」
「うぐぅ! 色鳥……ここぞとばかりに言って来るな」
「んじゃ、縁の心がボコボコになる前にシナリオ開始しますか」
「おう」
「はい」
「ええ」
「うむ」
「……これしばらくいじられるだろ」
こうして縁は親友達のシナリオが始まった。