「うおっ!!!」
扉の中を見たゲンと俺は声を出して驚いた。
ドアを開けるとすぐにカウンターがある。
奥を見ると大きな机が有りこれが社長専用の机と思われる。
その机の影で黒服が五人で金属バットや、ゴルフクラブ、鉄パイプなどを振ってカンカン音を出している。
そして、少し空間を空けて、応接用のソファーとテーブルがある。
テーブルにはティーカップが二つ置いてあり、一つが半分ほどに減り、もう一つは手を付けていないようだった。
そして、ソファーに俺とゲンが驚いた原因がある。
ソファーには女性が寝ていて、上半身が下着一枚なのだ。
つまり、ぶらじゃー、一枚なのだ。
しかも巨乳だ。それはもうフージコちゃーんを想像させる。
顔を、さらさらの美しい髪が覆い隠し、あごのラインくらいしか分からない。でも、そのラインがすでに美しい。
そうとうな美人を想像させる。
ぶらじゃーは純白で、美しい装飾が施されている。
美女なら当たり前にも感じるが、普通なら勝負下着と考えても良いのではないだろうか。
純白のぶらじゃーに負けないくらい、白く美しいふくらみが、こぼれそうになっている。
そして、下半身はスカートをはいている。
そのスカートの中に頭を突っ込んでいる馬鹿がいるのだ。
俺とゲンが一瞬で部屋の状況を見て把握し、この馬鹿に気が付き驚いたのだ。
「おい!!」
ゲンが表情は無表情のまま、機嫌の悪い声で言い、馬鹿の尻を軽く蹴った。
「このやろー!! 何をするんだーー!!」
すごい剣幕でスカートの中から顔を出した。
「うわっ!」
やれやれだぜ。こんなことなら、猛獣のような奴が出て来た方が何倍もましだった。
頭がはげ上がり、横には毛があるマフィアのボスのようなおっさんがスカートの中から出て来た。
その鼻からは、大量の鼻血が出ている。
俺は、美女のスカートに頭を突っ込んで鼻血を出している奴を初めて見た。
鼻血を出したハゲたおっさんの顔を見て、また驚きの声を出してしまったのだ。
俺達は偶然にも美女のピンチを救うことが出来た様だ。
視線をハゲから女性に移した。
ハゲが、勢いよくスカートから頭を出した為に、スカートがまくりあがったままになり、ぱんてぃーがチラリと恥ずかしそうに顔を出してしまっている。
ぱんてぃーが、ハゲの鼻血で赤く汚れているのが見える。
もとは純白の装飾の美しいぱんてぃーだったようだ。
俺は、蜂蜜さんにスカートをそっとなおしてもらった。
どうやら、この鼻血ハゲがボスのようだ。
映画で見たマフィアのボス、アルカポネのようだ。
体もでっぷりと太っていて、ダンディーなスーツを着ている。
長袖から出ている手の甲に、毛がモサモサに生えている。
頭頂部には毛がねえくせに、こんなところはモサモサだ。
どうやら、過剰に男性ホルモンが出ているようだ。
きっと、胸毛もモサモサだろう。
まあ、スカートを脱がさずに、はかせたまま、ぱんてぃーを見るなんざあ良いセンスをしている。
ふふっ、俺もやってみたいもんだぜ。
まあ、女性の同意がもらえないから無理だろうけど。
こいつみたいに、無理矢理はやりたくねえしな。
「てー、てめー達は何もんだ」
「アンナメーダーマン」
俺は、間髪入れず返事をした。
めんどうくせーから、少し早口に機械的に言った。
「はあーーーっ」
ボスがハゲた頭で、あきれた口調でいった。
どうせ、聞き取れていないのだろう。
こんな、奴は放っておいて、もう一度状況を整理してみよう。
探偵少年コナンドイルのように、あー違うわ。
シャーロックホームズのようにだ。
もう一度俺は、テーブルの上を注意深く見てみた。
ティーカップとティーカップの間に四角い髪が置いてある。
「師純興業株式会社、芸能部、部長……」
ふむ、どうやら、この女性は、スカウトされてきた女性のようだ。
こんな世界に芸能人なんかいねーだろうに。
いや、近くアイドルコンサートもあるぐれーだから、だまされちまったのかな。
でも、待てよ、ティーカップは二個あるぞ。
「おい、兄弟!」
ゲンが何かに気が付いた用だ。
ゲンの視線を見ると、女性の巨乳を見ている。
やっぱりゲンも、巨乳には関心があるのだなー。
などと思っていると、胸の谷間に何かが見える。
東北地図。
紙が少しはみ出していて、そう書いてある。
世界広しと言えど、胸の谷間に地図を挟んでいる女など、知る限り一人しかいない。
「すべて、謎が解けた!」
あの二つのティーカップは、一つはミサが飲んだもの。
睡眠薬でも入っていたのだろう。
もう一つの飲んでいない方のティーカップは、恐らくシュラの物だ。
そして、社長用の大きな机の影でカンカン言っているのは、ミサを人質に取られて、抵抗の出来ないシュラが叩かれている音だ。
決して、スカートの中をのぞくハゲの、おはやしでは無い。
「はああっ、馬鹿かてめーは何を言っている」
「ふん、シュラ、ミサは俺が守る。お前は何も心配せず、お前を叩く者にお仕置きをしてあげなさい」
「ハイ! マスター」
ドゴーーッ!!
シュラは立ち上がると、武器を持つ黒服五人を、掌底で吹飛ばした。
まったく、シュラといい、あずさといい、俺の真似をして敵は掌底で攻撃をする。
まあ、女性が拳を使っては、美しくない。
これで良いのだろう。いや、これでいいのだ。
黒服五人は壁を壊し、隣の部屋でのびている。
シュラの可愛いメイド服がボロボロになっている。
どれだけ酷く叩かれたのか。
真っ赤な下着が丸見えになっているじゃないか。
暴れたので、ぶらじゃーの肩ひもが片方切れてしまった。
シュラは慌てて、胸が出ないように両手で押さえた。
うーーむ、両手で押さえる仕草がとてもかわいい。
でも、まてよ。俺は、シュラに純白のエッチな下着を着せたはずなのだが。
あーそうか。あれは、美術館のレプリカの方だった。
「こ、このやろーー!!!!」
ハゲおやじが、社長机の裏から巨大な銃を出して構えた。
銃口は、事もあろうに両手がふさがっている、シュラに向いている。
やばい!