「ほ、ほらほら! ルトちゃん、宝箱ですよ! 早速開けてみましょう」
「……う、うん。そーだね。ナニガハイッテイルンダローネー」
ルトちゃんの最後の言葉が棒読みになってしまっていたが、彼女の為を思い、聞かなかった事にしておく。
まずは私から。神官からドロップしたアイテムから確認する。
「えっ何これ? 【大呪魂】が十個!? 凄い!」
教典のアイテム欄には、なんとレア素材アイテムである【大呪魂】が十個も追加されていた。あの四本腕のゾンビが一個しかドロップしなかった事に比べるとこれは破格の数だ。それだけあの神官のレベルが高かったという事だろう。
「他には……【巨神官の魔杖】か。これは私には装備出来ないな」
杖という事は魔法使いの専用武器か。それならこれはルトちゃんにあげよう。喜んでくれると嬉しいけど。
ドロップアイテムは以上だ。次は椅子の中にあった宝箱を見てみよう。
「そっちは何があったー?」
「おう。まず【黄金の邪神像】ってのがあったぜ。換金アイテムだと」
「邪神像? 天井に描いてあるアレの事?」
「いや何か
蛸っぽい頭の悪魔? そんな悪魔、見た事も聞いた事もないけど。そういえば最序盤で出てきたエネミーも蛸だったな。蛸が好きな人が製作スタッフにいるのかな? いるのもしれない。チャット欄が『クトゥルフじゃねえか!』、『まあ、そりゃガタノソアだしな』、『ここ思ったよりヤバいダンジョンなのかも分からん』と騒いでいるが何の事だろう? まあ良いや。
「あ、あと黒山羊のぬいぐるみがあったぜ。
「黒山羊?」
「ほら、その
「あー、うん。言っていた言っていた」
PCメイキングの時に確かにそんな話を聞いた。そういえば、カメラの外見を何に変えようかと思っていながら、結局ずっと忘れていた。ずっとって言うかまだ三日目だけど。
「……すのこさんにこの黒山羊、あげる」
「えっ!? い、良いんですか!?」
「……うん。私、あくまでもシスターキャラだから。天使系にしようって決めていたの。だから、黒山羊はすのこさんが貰って」
「るるるルトちゃんが私にぷぷぷプレゼント……!」
「……イヤ? 迷惑だった?」
「めめめ迷惑だなんてとんでもない! 謹んでお受け取りさせて頂きますっ!」