ルトちゃんの教典と背中合わせにしてアイテム欄のページをタップし、彼女からアイテムを受け取る。
ページをめくってカメラの設定を操作。
「メェ~、メェ~」
「わあ、可愛い!」
黒山羊は重力を無視して宙に浮かぶと、私の周りをくるくると旋回し、私の顔の高さで止まった。どうやらこの子も私を気に入ってくれた様子だ。
あっ今ニコッて笑った。ニコッて! ウェヘヘヘ
「……気に入ってくれて嬉しい」
「あっいえ、有難う御座います! そそ、そうだコレをどうぞ!」
ルトちゃんに【巨神官の魔杖】を渡す。ルトちゃんは早速ページを弄り、金杖を装備した。小さな彼女には長過ぎる杖が彼女の手中に現出する。
「……これ、さっきのボスエネミーが使っていた物? ふーん、倒すと貰えるんだ。……うん、良い武器。ありがと」
「ひゃい! 恐縮です!」
ルトちゃんがふわっと笑顔を浮かべる。可愛い。あまりに可愛過ぎて心臓に悪い。ルトちゃんの笑顔に殺される!
と、とにかく喜んでくれたようで良かった。一安心だ。
「おい、すのこ。オレには何もねえのかよ?」
「マイに? うーん、他には【大呪魂】しかドロップしなかったけど……要る?」
「あの生き返るけどゾンビ化しちまう奴が作れるアイテムか。そうだな、一個くらい貰っておこうか」
マイにアイテムを手渡す。とりあえず配分はこんなもので良いだろう。あとは換金アイテムを売り払って、それを山分けにすれば真のダンジョン攻略完了だ。
「そんじゃあ帰るか! 今日の夕飯はチキン定食だな!」
「……日本人ならそこはカツ丼じゃないの?」
「ドン勝って結局どういう食べ物なんでしょうね?」
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