いいことばかりじゃないから
喜んだあと ふいに悲しい
いいことばかりじゃないことくらい
わかっているのに
わかりたくない
もっと欲しい
手にいれられないから
手にいれようとしない
けど
これは これだけは 求めたい
と
感じたら
挑むことにする
よく考えてみる
よく悩んでみる
ふらりぶらぶら迷うことが
もしかすると楽しいのかも
いいことばかりじゃないけどさ
ひとつ
ほら つかみとれた
もっと もっと と願ったけれど
いまこのひとつを
しっかり握る
みたされていく
うるおっていく
もしかすると遊んでるのか
わかっているから
わかりたくなる
町はずれに未知への扉があり
旅に出たいと願うとき
道をはずれたミント畑で
とびきりの風を知ってしまった
ただ吹かれるだけで香る
ちょっとふれただけで
高い場所ではなかったけれど
階段が見えたんだ
あそこ登ったらなにがあるのか
なんにもなくていいけれど
なにかが見える気がしたんだよ
たぶん
未知の世界が見えるというより
よく知ってる
いつもの
住んでいる町
たぶん
知っている
けれど
初めての出会いになる
いつもとちがう
いつもの町
畑を通り抜けて
階段を昇る
まわりは乾いた土とコンクリート
ちょっと汗ばみ
ひたいの汗ぬぐうと
シャツの袖から
すがすがしい香り
