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ウィザード・セクトの候補者らが集う部活、
でも、1つ。疑問に思ったことがあった。
「先輩。何故、部室が校庭の森の中にある教会なんですか!?」
そう。編入試験のときに使用した森の更に、奥深くに小さい教会が存在し、その教会をなんと! 部室代わりに、使用していることを初めて知った私は、副部長のネオ・フィーネ先輩に問い詰めると、先輩は平然と答えた。
「校長が顧問だからね。ここは、校長のお気に入りだから、この場所で部活をすることになったんだって。部長が前に、言ってたさ!」
校長それでいいのか……。
他にも、部室になる場所あったでしょうがよ〜。
「部室ないくらいなら、まだマシだろ」
「それは、そうだけどさ〜」
「神聖だから、良いじゃないか!」
ネオ先輩はそう言うが、そもそも部活内容を知らない私達からすれば、ますます不安になってくる。
部長も知らないし……。
「ネオ、部活は何をするんだ?」
アノールはネオ先輩に、活動内容を聞いてくれた。
私は心の中で『よく聞いてくれた!!』と、ガッツポーズをした。
「見てからのお楽しみですよ、先輩!」
ネオ先輩はアノールにそう答え、教会の扉を押した。
教会の中は、大きな女神像が真ん中に置かれており、その女神像を囲むように、ガラスのテーブルと椅子が置いてあった。
そして、3人のケストレル寮・ルーン寮・リオール寮の制服を身に纏った生徒が、優雅に座ってくつろいでいた。
「部活じゃなくて、何かの会議なのでは?」
部室の中を見て、思わず突っ込んでしまった私。
それに反応するかのように、金髪のロングヘアのチャラそうな、ルーン寮の制服を着た男子生徒が、ククッと込み上げる声を抑えるように笑った。
「レオン」
「おー、すまねぇな。こいつのツッコみについな。お前、ルナ・マーティンだろ? 校長から聞いてるぜ! 成績優秀で、1年生なのにウィザード・セクトの候補者に選ばれたってな」
ケストレル寮の制服を着た糸目の男子生徒に『レオン』と呼ばれた生徒は、椅子から立ち上がり、私の目の前に移動してきた。
「貴方は?」
「俺は、レオン・ケイン! ルーン寮の監督生で、固有魔法は『
レオン・ケイン先輩と握手を交わし、そのまま手を引かれ、何故か抱き寄せられてしまった。
私の後ろにいたアノールとセドは、同時に『あ”?』と声がハモった。
「ふぅ~ん。只者じゃねぇな、お前。氷の使い手は稀少だ。それに、魔力量が半端じゃねぇ。制御してるつもりだろうが、俺たちにはバレバレだぞ。なぁ? ルーカス」
私を抱き寄せたまま、後ろを振り向くレオン先輩。
ルーカスと呼ばれる男子生徒は、頭を抱えた後、光の矢をレオン先輩に向けて放った。
すると、レオン先輩にお姫様抱っこされながら、その矢を避け、ルーカス先輩の元に移動した。
「おいおい、ルナ・マーティンもいるんだから、いつも通りに攻撃するのやめねぇか?」
「はぁ…やかましいですね。それと、早く彼女を解放してあげなさい。連れの方たちが、今にでも貴方を殺そうとしていますよ」
「えぇー! 名残惜しいけど、ほい。これでどうよ!」
レオン先輩はやっと私を解放した途端、アノールとセドは私の前にズガズガと歩いてきて、私を隠すように2人は先輩の前に出た。
「嫉妬深い男は、嫌われるぜ? まぁ、それはそうと。入部希望の奴は、ルナ・マーティンとセド・レナードか? アノールは別だもんな」
「まぁな。
「お前、兄弟いたのか?」
「いた……」
アノールは何か言って欲しそうに、こちらを見てきた。
もうツッコまないよ私は。 そんな見ないでよ。
「事情はまぁ、聞かねぇがな。こいつに何かされそうになる前に、俺やルーカスに言えよな?」
「善処します」
「何もしない。多分」
その
「そろそろ、本題に戻りますよ。さて、改めまして。僕はルーカス・グレイナと申します。
こうして、私たちは
続く