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このスチームパンク冒険譚はワクワク楽しく読めるだけでなく、(モヒカンですけど)ボーイミーツガール的な要素もあって、ちょっぴり胸キュンもできます。 その近未来的な世界観は、とてもユニークでよく作り込まれています。化石燃料が枯渇したこの世界は、蒸気間欠泉にエネルギー源を頼っており、都市国家が蒸気間欠泉のある各地に点在しています。主人公のヒュージ・ブローデンが生きるコラシーと言う名の都市国家は、上層から下層まで徹底した階層社会で、彼は最下層の都市外労働者です。 ヒュージは、大型の旧式人型ロボット「スチーマン」(オールドディガー)を駆使し、鉱脈を探す「ダウザー」ですが、今や彼以外に誰も残っていない絶滅種です。彼は名前の通り、巨漢で言動がチンピラっぽく、しかも髪型がモヒカンなのですが、見かけに似合わず割と常識的で案外お人好し、怖がりな人柄には共感を覚えます。特に女の子のことは全く分からず、純情朴念仁でとてもかわいいです。彼はしょっちゅう「ヒャーッヒャッヒャッヒャッ!」「キヒッ!」「オラオラァ!」「あぁん!?」のような珍妙な叫び声をあげていて、一度聞くと忘れられなくなりそうです。完結しちゃってこの叫び声がもう聞けないのが残念です。 ヒュージは、異国フルトニス出身の美しい旅学者サテン・キオンから依頼を受け、大昔に開発された「完全蓄熱コア」を共に探す旅に出ます。コアを狙う敵に対し、ヒュージとサテンが彼のオールドディガーに乗り込んで共に戦い、危機を切り抜ける様には手に汗握る迫力があります。その間に一匹狼だったヒュージにも、サテンに対して良き相棒としての感情が芽生えても無理はないでしょう。それだけじゃなく、破天荒でどこかズレているサテンにヒュージが調子を崩されている面もあると思います。2人がお互いに持つ感情は、相棒以上に発展しそうでとてもむずがゆく、胸がキュンとしますので、彼らの関係の発展にも注目して読むと楽しいです。 その他の登場人物達もとても個性的で魅力的ですが、皆、それ以上にヒュージの人間性に魅せられて彼の周りに人が集まってきたり、人間関係が変わっていったりするのも見物です。美人メカニックレヴィ、鉄道網を外れる場所までデミロコモを出す商売をしているタム・ムラサキ、彼女の元で働くやんごとなき生まれらしきおねえキャラのメル、敵から味方になったスチーマン乗りのベンジャミン・ヴィカス・モレルとニコラ・ワルター、機械屋のお爺さん、ヒュージの師匠のお爺さんなど、枚挙にいとまがありません。ヒュージが「ババア」と呼ぶオリゾンテ商会の女主人メリーアンさえ、実はヒュージのことを認めていて嫌ってはいなかったのではないかと思いました。
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