105.　『ましポん48』～グランメゾン・リリィ配信～①

　そして次は休む暇もなくリリィさん枠の配信が始まる。企画は『グランメゾン・リリィ』。Fmすたーらいぶのリスナーはもちろんライバーからも大人気のリリィさんのお料理配信企画だ。実はオレもすごく楽しみにしている。

「颯太。マイクを貸して準備するわ」

「はい」

「あ。七海ちゃん少し遅れるって。ディスコード来てるよ紫織ちゃん」

　1期生に送られている日咲さんのディスコードを確認すると、『ごめ～ん！睡魔という難事件に立ち向かってたら間に合わなくなっちゃったw怒らないでね？ケーキ買っていくからさ(+_+)』ときていた。

「睡魔という難事件らしいよ？www」

「日咲さんらしいけどな」

「え？仕方ないわね……ポアロの立ち絵は……と……」

「ダメじゃない颯太君。ちゃんと七海ちゃんの面倒見てあげないと」

「そうよ？あなたの担当でしょ七海は。年下なんだから」

　え？オレの担当なの？いつ決まったんだよ……。そんなこんなで配信の時間がやってくる。かなりの人数が待機しているな。頑張らないと。

　コメント

『来たぁ～！』

『1期生初オフコラボ！』

『リリィママの料理楽しみ！』

「待たせたわね眷属たち。Fmすたーらいぶ1期生、魔界の時期女王こと魔月リリィよ。よろしく。そして」

「こんにちは。Fmすたーらいぶ1期生、お腹ペコペコみんなの姫こと姫宮ましろです。そして」

「みなさん、こんひなた～。みんなの今日の運勢は大吉ですよ。Fmすたーらいぶ1期生の見習い巫女。同じくお腹ペコペコ神川ひなたで～す」

　コメント

『きたあああ！』

『ペコペコ可愛すぎる』

『あれ？探偵いなくね？』

『どした？』

「あーポアロは……」

「ねぇねぇリリィさん。さっきのポアロ探偵のディスコード貼り付けちゃおうよ。面白いし」

「あはは。それは……ましろちゃん。鬼だねw」

「それいいねひなたさん。今日は鬼姫でいこうかな？」

　コメント

『鬼姫w』

『新しいキャラクター来た！』

『悪くない』

「そうね。ポアロには少しくらい反省してもらおうかしら。これをコピーして……あっ出たこれよ。立ち絵の上に貼っておきましょ」

『ごめ～ん！睡魔という難事件に立ち向かってたら間に合わなくなっちゃったw怒らないでね？ケーキ買っていくからさ(+_+)』

　コメント

『難事件w』

『寝坊やんけw』

『ケーキで許すw』

「まぁまぁ。ひなたも去年『みこシス30』やったから分かるけど、本当に体調管理は重要だし、一応ポアロちゃんは朝まで配信してたからさ？みんな許してあげてね？」

「とりあえず始めていこうかしら。ましろは初めてよね『グランメゾン・リリィ』は？」

「期待してるよリリィシェフ」

「はいはい。『グランメゾン・リリィ』はゲストとトークをしながら料理を作って配信するお料理配信なのよ。ちなみに今回は事前に1期生から食べたいものを聞いているから、ましろは『オムライス』、ひなたは『プリン』で……ポアロは『唐揚げ』ね」

　コメント

『事前……？』

『探偵は忘れてたよ』

『自由すぎだろ探偵w』

「そうね。私がわざわざ配信にお邪魔して聞いたもの。それは置いといて、早速料理作るわね」

「ひなたたちはリリィちゃんが料理している間、リスナーのマシュマロに答えていくから質問もよろしくね？あ。ポアロちゃんついたって。ひなた迎えに行ってくるね」

「ポアロ探偵は料理手伝わないんだからお菓子とかで良くないかな？お菓子好きだよポアロ探偵？」

　コメント

『鬼姫w』

『お菓子は可哀想』

『リリィママの料理楽しみ！』

『やっぱり1期は最高だな』

『リリィママの家ってどんな感じなの？』

「あ。リリィさんの魔王城どんな感じって聞かれてるよ？」

「誰の家が魔王城だってw」

　そんなやり取りをして少し待っていると月城さんと日咲さんがやってくる。

「お～いリリィママ！そのディスコード貼り付けんなよ～！」

「お疲れ様ポアロ。私じゃないわよ？ましろが言い出したんだから」

　コメント

『探偵来たw』

『今日も元気だ』

『おはようポアロちゃん！』

「リスナーさんがおはようだってポアロ探偵。とりあえず自己紹介しなよ」

「うん。おはよう！難事件になかなか閃なかった青嶋ポアロ探偵です。よろしく！」

「良かったね迷宮入りしなくてwww」

「それは洒落にならないよ姫www」

「ポアロはお菓子でいいんだっけ？そこに用意してあるから、好きなだけ食べていいわよ？」

「良いわけないじゃんw唐揚げだよ唐揚げ！」

　コメント

『探偵www』

『ポアロちゃんwww』

『相変わらずwww』

　こうして色々トラブルはあったが初めての1期生オフコラボが始まるのだった。