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471. 『あかくま50』~オフパート 光栄なこと~

471. 『あかくま50』~オフパート 光栄なこと~



 昨日は月城さんとの配信が終わって、少し飲んでから帰ったから、家についたのが3時すぎだった。正直眠いよな……まぁ今日1日だから頑張ろう。


 オレはそのままリビングに降りて、朝食のパンをトースターで焼きながら、コーヒーを淹れる。そして、焼き上がったパンにバターを塗っていると、彩芽ちゃんがやってくる。


「あ。おはよう……ございます」


「おはよう彩芽ちゃん。今起きたの?」


「はっはい……急がないと」


「あと20分しかないよw」


「分かってます……」


 彩芽ちゃんは冷蔵庫から牛乳を取り出しコップに注ぎ、それを一気に飲み干すとバタバタと自分の部屋に戻っていく。


 ……寝癖もそのままだったな。本当に時間ギリギリまで寝てたんだろうな。可愛いけど。


 そして、部屋に戻り8時からの配信の準備をしているとディスコードに連絡がくる。相手は高坂さんだ。


「もしもし?つむぎちゃん?」


 《あっおはようございます!すいません朝早くから!》


 《つむぎ。キャラ忘れてるわよw》


 《あ。すいません。こほん。……おはようございます》


「気をつけてねw誰が聞いてるか分からないんだから。というかリリィさんもいるんだ」


 立花さんもいるのか?どうしたんだろうか。おそらく事務所の連絡とかだと思うけど。


 《実はですね。今リリィ様のマネージャー様がお忙しいので、一緒にお伝えするのですが……『ましリリィの3D』ライブを延期したいと運営は考えてまして……》


「延期?」


 《トラブルでもあったのかしら?》


 《そうではなくて。今お2人のチャンネル登録者が姫様が87万人、リリィ様が88万人で……更に今回の『あかくま50』の5期生の反響が良く、せっかくなら5期生とも収録したほうが良いという判断になりまして……》


 まぁ確かにその通りか。何かの節目の方がいいような気もするし。


「登録者のキリが悪いからってこと?なら90万人いってからのほうがいいのかな?」


 《確かに5期生がいないのも変な話よね。オリジナル曲がないから、私たちの歌を歌うってことかしら?》


 《その方向でお願いしたいと思ってます。すいません忙しいスケジュールで収録していただいたのに》


「ましろは全然構わないよ。リリィさんは?」


 《私もそれで。別に今までましろとはコラボしたことなかったし、それが少し先に伸びるだけでしょ?だからつむぎが気にすることないわよ》


 《うぅ……本当に申し訳ありません》


 高坂さんは事務所の運営スタッフだからな、こうやって言いにくいことも伝えるのも仕事だ。となると、オレは高坂さんと準備……立花さんは残りの3人か……大変だな


 《100万人の時でもいいけどねwここまできたらいつでもって感じよねw》


「100万人は来年じゃないかなwすると6期生が来そうだけどw」


 《あっそうね。このままやらなそうw》


「それも『ましリリィ』っぽいけどね。まぁとりあえず分かったよつむぎちゃん。連絡ありがとう」


 最高のパフォーマンスを見せるのもオレたちVtuberの仕事だから、運営の判断は間違っていないと思うし。それに対して文句もない。でも、Fmすたーらいぶがそれだけのパフォーマンスを求められる企業になったことは素直に嬉しいし、とても光栄なことだな。

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