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683. 『八神えるる謝罪&祝ましリリィ初コラボ』伝説の謝罪配信③

683. 『八神えるる謝罪&祝ましリリィ初コラボ』伝説の謝罪配信③




 無事にすたライのカウントダウンライブは終了し、時間は23時55分。今年も残り5分となる。確かにこうやってカウントダウンをリスナーとするのは初めてだからな、えるるちゃんには申し訳ないけどこれも炎上のおかげではあるよな。


 コメント

『残り5分』

『わくわく』

『この日が来るとは』


 《えっと、えるるちゃん。最後の挨拶的なのは何かある?》


「え?アタシですか?」


 《これはえるるの枠でしょ?》


「そうですけど……分かりました。えっと……すたリスの皆様いつも見てくださってありがとうございます!今年も色々なことがありました。アタシは最後に迷惑をかけてしまって申し訳ございませんでした。でも、温かいすたリスの皆様とあと素晴らしい先輩の姫先輩とリリィ先輩とこうやって無事に年を越せることを嬉しく思います。来年もFmすたーらいぶをよろしくお願いします!」


 《おお……立派だなぁ。ましろ嬉しいよこんなにえるるちゃんが成長してさ?》


「嬉しいですけど、素直に喜べないw」


 コメント

『年明けたら喜ぼ』

『そうそう』

『えるるちゃん頑張れ!』


 《ということで、みんな。今年は本当にありがとうございました。来年は8時から公式配信があるから、それも観に来てくれると嬉しいかな。ましろは最後の18時の枠に出るからね。リリィさんとえるるちゃんは?》


 《私は用事があって出れないかしら》


「アタシは姫先輩の前の枠の16時から出ます。明日はいつもの八神えるるで頑張るからね!えるファミのみんな観に来てね!」


 《そう考えると、すたリスのみんなとカウントダウンできるから私としては嬉しいわよね》


 《不幸中の幸いだねw》


「リリィ先輩!それは言わない約束ですよ!」


 コメント

『草』

『不幸中の幸い』

『まだ年明けてないから』


 《あ。そろそろだよ。カウントダウンしようかえるるちゃん》


「あっはい。えっと、10からいきますね。10……9……」


 コメント

『8』

『7』

『6』


 《5》


「4!……3!」


 《2》


「1!」


 0時になり、カウントダウンの終了とともにコメント欄には『あけおめ』『ことよろ』など色々な挨拶が流れ始める。こうして初めてカウントダウンを迎えるFmすたーらいぶの配信は、無事に終了した。


 そして配信終了後そのままえるるちゃんは話し始めた。


「あの!本当にありがとうございました!ご迷惑おかけしました!」


 《えるる》


「はい……」


 《もう反省したんだからそんなに謝らなくていいわよ。ありがとう。さっきも言ったけど、あなたのおかげで最高の年越しが出来たわ。カウントダウンもそうだけど、ましろと初コラボも出来たしね?》


 《もう去年の話だからさ。せっかく新年迎えたんだから暗いのはナシにしようか。リリィさん、えるるちゃん明けましておめでとう》


 《ええ。おめでとう》


「明けましておめでとうございます!」


 まぁ結果的にえるるちゃんは謝る機会を貰って謝れて、少しはすっきりしただろうし、リスナーさんにもいいものを提供できただろう。


 《それにさ、さすがに配信では言わなかったけど、こんなの炎上のうちに入らないでしょw昔なんかこんなの日常茶飯事だったわよ。それこそ全員こんな勘違いを経験してるって。だからそんなに気にしなくて大丈夫よ》


「はい……」


 《そもそも、このくらいの勘違いは運営もやるからね》


 《そうね。でもね、それだけ私たちFmすたーらいぶが大きい事務所になったということだから、改めて気をつけましょうえるる。もちろん私もましろもね?》


 《そうだね。じゃあ今年もよろしく!ってことで解散しようか。またね~》


 そう言ってディスコードを抜ける。オレはそのままスマホでSNSを確認すると『#伝説の謝罪配信』がトレンドに急上昇していた。まぁそりゃそうだよな。


 コメントを少し遡りながら、確認していく。一部の人を除けば、えるるちゃんを叩いている人はいない。


「少しはエースらしく力になれたかな」


 そんなことを思いながら、しばらく配信の余韻に浸るのだった。

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