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第1章 第1話 人喰対策特務局⑦

「おいポチ、ボサっと立ってんなカス」


 蟹原が男の人を膝カックンした。っていうか、ポチ? って何?

「ひゃわ!」


 男の人がこちらに倒れてきて、抱き合う形になった。


「わー! わーちょっと!」

 血の匂いに混ざってラズベリーキャンディーの香りがして、香水? シャンプー? ……って私は変態か!?


「ご、ごごごごめんなさい!!」


 男の人が涙目になってすごい勢いで離れていってしまったので、ちょっとショックを受けた。ひょっとして私臭い? 自分でくんくんと匂いを嗅ぐ……ってそうじゃなくて!


「何するんですか!?」


 蟹原部長を睨みつけると、彼はへらへらと笑って


「お前の仕事や。ポチの世話」


 男の人(ポチ)を指さした。




「……え?」

「え? やない。お前は今日から、コイツの飼い主やから。給料発生してるんやで、サボるなよ」


 嘘でしょ?



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