『一緒にゲームしたいです！』とポチは言った。

　だから今、二人でプレイングルームと書いてある部屋にいるのだが、ここは図書館みたいに本棚がたくさん並べられていて、でもよくみたら中身は全部漫画とゲームソフトだった。

　真ん中に少しボロいソファーが置いてあって、目の前に大きなテレビもある。ポチは本棚の前にしゃがみこんでゲームを物色している。

　私はソファーに深く腰掛けて、ぼーっとその様子を見ていた。母親と知的障害者の兄が死んで自由になって、就職まで決まってなんだか気持ち悪いくらいに順調すぎて怖い。

　ふと病院のベッドで出会った男のことを思い出す。

「お前の願いをかなえてやろう」

　彼の、冷たく赤い目を思い出す。

『みんな、死んじまえ』