「ひっ……!」
腰が抜けてまた尻餅をついてしまう。そのとき、部屋の奥の方でナニカが蠢いた。大きな肉の塊を、動物のように顎と牙を使って食べていた。それが裸の女の人だということに気づいたのは、長い髪と乳房が見えたからだ。
ナニカがこちらに気づいて、目が合った。血のように真っ赤な目。口元には血が滴って、口の端からは食している最中であろう内臓がはみ出ていた。
これが人喰――。腰を抜かして地べたにぺたんと座り込む私の横を、ポチが駆けて行った。