古民家を改造したような居酒屋につくと、蟹原部長・猿山・ポチの順にトラックから降りた。私もそれにつづく。
トラックから降りるときに、蟹原部長はセンターコンソールを開けて取り出した厚手の手袋を嵌めて、ポチはバールのようなものを持っていた。
居酒屋店内に入るとスタッフが出てきて、裏に通された。扉を開けると、鉄の匂いに少しハイターの混じったようなにおいがして、思わず鼻をつまんだ。
「ひぃやぁああああああ!!!」
突然叫びながら飛び出してきた全裸の男にぶつかって、尻餅をついた。痛みに肩を押さえて立ち上がった私が見た光景は、
赤。赤。赤。
千切られた肉片が、血が、まるでトマトケチャップをぶちまけたように、床に壁一面に散らばっていた。それを構成するものがすべて裸の人間だということに、虚ろな目と、目が合って気づいた。