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第1章 第4話 ヒーローの敵(アンチ)③

 閑話休題。寝たのが午前八時を超えていたのもあり、時計の針はもうすぐおやつの時間を指していた。


 洗面所で顔を洗って、髪を二つに縛った。


「……あ」


 もう、この髪型じゃなくていいんだ。私の髪型が変わると兄が癇癪を起こすから、幼稚園児のときからこのツインテールを、十八歳になるまでつづけていた。


 でも……そっか。もう、好きな髪型にできるんだ。とりあえず髪を下ろしてみた。



「……なんかブスだな」


 私の顔は童顔だ。といっても、みんなが憧れる可愛い童顔ではなく、ブスかつどちらかと言えば童顔という顔なのだ。だから、髪を下ろすと不細工な小学生みたいになる。


「なるほど、ならばポニーテールだ」


 なんか違う。いろいろな髪型を試して結局、いつものツインテールに落ち着いた。

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