閑話休題。寝たのが午前八時を超えていたのもあり、時計の針はもうすぐおやつの時間を指していた。
洗面所で顔を洗って、髪を二つに縛った。
「……あ」
もう、この髪型じゃなくていいんだ。私の髪型が変わると兄が癇癪を起こすから、幼稚園児のときからこのツインテールを、十八歳になるまでつづけていた。
でも……そっか。もう、好きな髪型にできるんだ。とりあえず髪を下ろしてみた。
「……なんかブスだな」
私の顔は童顔だ。といっても、みんなが憧れる可愛い童顔ではなく、ブスかつどちらかと言えば童顔という顔なのだ。だから、髪を下ろすと不細工な小学生みたいになる。
「なるほど、ならばポニーテールだ」
なんか違う。いろいろな髪型を試して結局、いつものツインテールに落ち着いた。