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第1章 第4話 ヒーローの敵(アンチ)②

「……夢、か」


 もう、兄はいないのに。汗で湿った前髪が額に張り付き、それを手でかきあげた。しばらく呼吸を整えると、私はベッドから這い出た。


 昨日(と言っても日が出た後なので今日なのだが)事務所に帰ってくると、蟹原部長に鍵を渡された。


 人喰管理委員会の職員は、みな寮に住むことになるらしい。ちなみに寮費なんとタダ!


 そんなわけで、天涯孤独になった私は職のみならず住処も手に入れたのだった。やったぜ!


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