「……夢、か」
もう、兄はいないのに。汗で湿った前髪が額に張り付き、それを手でかきあげた。しばらく呼吸を整えると、私はベッドから這い出た。
昨日(と言っても日が出た後なので今日なのだが)事務所に帰ってくると、蟹原部長に鍵を渡された。
人喰管理委員会の職員は、みな寮に住むことになるらしい。ちなみに寮費なんとタダ!
そんなわけで、天涯孤独になった私は職のみならず住処も手に入れたのだった。やったぜ!