「痛い! やめて! やめて!」
兄が奇声を上げながら、私の髪を引っ張っている。私はそれを眺めている。しばらくすると、裸になって兄が私にまたがってぐるぐる回って、カフェオレみたいに一つになって混ざり合った。
「何、君。高校生なのに妊娠したの? 破廉恥だねぇー。あ、大学生?」
へらへら笑った中年の医者が、長い綿棒を私の中に刺して掻き混ぜた。
痛い! 痛い! 痛い! ぐるぐるぐるぐる。泣き叫んで、ぐるぐるぐるぐるぐるぐる。回れ。回れ。世界なんて、全部ゴミだ。
掻き混ぜて、掻き混ぜて、ぐちゃぐちゃになった。そうしたら、すべてが一つになって私は皿の上に並べられた。
テーブルの前で座って待ち構えていた赤い瞳の化け物が、私を食い散らかしている。それを、私は見ていた。ずっとずっと、見ていた。