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第1章 第4話 ヒーローの敵(アンチ)⑪

 だって、蟹原部長に指を差されたポチは泣いていたから。それに、一緒にゲームをしたときに笑った顔も、困った顔も、全部ニセモノだなんて私には思えないから。




「馬鹿が! 死ぬぞ!! 俺は言ったからな!!」

「行こう」



 ぼろぼろと泣きながらしゃがみ込んでいるポチに手を差し出すと、暖かな手が握り返してくれた。

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