大きな空間のに出ると、大きなオオカミの様な体に3つの頭が付いていて邪悪なオーラを放っていた。明らかにヤバそうな感じを漂わせていた。
だがこの感じは、見た目も違いオーラも格段に向上しているが、前回に討伐をした北、西、南のダンジョンのボスのオーラと酷似している。
さっそく警戒をされ、前回と違い速攻を仕掛けてきた。ミーシャは反応でき後方へ回避をし、アリアは反応が出来ずにまともに攻撃を受け、後方へ弾き飛ばされダメージ軽減の付与で助かったが負傷をした。ツラそうな表情をして立ち上がった。
これは……見ていられないな。俺の反応が遅かったのが原因だな。それに前回と同じで攻撃すのが、まだ先だと判断をした俺のミスだな。
「悪い! 先に家に帰っててくれるか……シャルが心配だし」
適当に誤魔化し、アリアを治癒魔法で回復させ返事を聞かずに転移で帰宅させた。
魔石が勝手に消え3つが一つの魔獣になるか? この仕組みを作った奴がいる筈だな……迷惑な事をするやつがいるな。今回は、やり過ぎたな……アリアに傷を負わせるとはな。最悪だ……許せる訳がないだろ。
ケルベロスは攻撃目標を失い、俺に集中攻撃をしてくるが片手で押さえ、もう片方の手で空間に手を入れるように腕が消えたように見えた。異空間から掴みだされ悪魔のような者が首を捕まれ慌てた様子で藻掻いていた。
「き、貴様……何者だ!? この俺様は……こことは別の次元にいたんだぞ? 干渉出来るわけが無い筈だぞ!!」
「そんな事は、知るか……こいつとの繫がりを辿っただけだ。こいつを倒しても、また同じ事を繰り返されたら迷惑だからな。それに……俺のパーティの仲間を傷つけた代償を払ってもらうからな」
「はっははは……そいつは無理だな! この俺様は悪魔で不滅の存在だぞ、それに傷つけられたとしても直ぐに再生するしな」
◇
悪魔というだけあり、体が大きく不気味な紫色をしていて人の形をしているが似ておらず、普通なら姿を見れば立ち竦み気絶する者もいる。それより悪魔の体に触れて無事では済まない。
悪魔の体に触れれば、負のオーラで精神が病み正気を失い自害をしたり、戦意喪失で戦闘不能状態になる筈だった。
「仕方ない……今なら許してやるぞ。貴様の行いを……続けるというなら、楽に死ねると思うなよ……貴様を低俗な豚と猿の混血種の獣人にするぞ? それに貴様の大切なにしている仲間とやらも、貴様の前で切り刻んでやる!」
ただでさえ俺様の見た目でビビっている筈だし……これだけ脅しておけば十分だろ。
「それは許可は、できないな……」
は? 何を言ってるんだ? こいつは……俺の影響で頭がおかしくなっているのか? バカか! なぜ悪魔の俺様が、人間の許可を得る必要があると思っているのか? 何様になったつもりだ?
「あっははは……とうとうおかしくなったか! やっと俺様のオーラの影響が出てきたようだな……」
よし! これはいけるぞ! この俺様が力負けする程の馬鹿力から開放されれば、瞬時に異次元に逃げて徐々に苦しめて殺してやる……
「効果だと? 何のことだ? そんな微弱なオーラに影響を俺が受けるとでも思っているのか?」
「あはは。そんな強がりを言っていられるのは、今のうちだけだぞ……どんどん精神と肉体を侵食していくぞ」
首を掴まれた悪魔が微笑み、地面に膝を着き抵抗を止めてオーラの効果を待っているようだった。
「今なら、許してやるがな……だが、そろそろ待ちくたびれたぞ。これでも忙しい身なんでな。豚と猿の混血の獣人にするぞ?」
「そんなに、その獣人が好きならば俺が、それを許可してやる。豚と猿の混血の獣人になるが良い」
俺がそう言うと、悪魔の体がどんどんと縮み横に太くなり豚の遺伝子を引き継ぎ、体から茶色い体毛が生えて猿のような顔つきで体型は豚になった。
は? 何なんだこれは? どういう魔法を使ったんだ? 俺様に人間ごときに魔法が?? そもそもハッタリで思いついたデタラメな魔法だぞ。 まぁ……人間の魔法なんぞ……1時間も保たずに効果が切れるだろ……この屈辱……許せん。下等な獣人にしやがって……クソ。最低の屈辱だぞ……許せん!
「どこで覚えた魔法だか知らんが、悪魔の俺様に一時でも屈辱を味わせるとは大したものだな……だが覚えておけよ……この屈辱を数倍にして返してやる。魔法抵抗もあることを忘れるな」
「そうか、面倒だ……お前のスキル、魔法を全て無効にする、当然……再生スキルも全て無効だ」
「ふんっ。そんなデタラメを言って脅しても無駄だ。ハッタリに決まっているだろ……神にでもなったつもりか? 悪魔に干渉を出来る人間がいる訳が無いだろ」
いや。待て……こいつは完全に俺様に干渉をしているぞ……異空間に潜んでいた俺を引きずり出し、悪魔のオーラを完全に無効化してるんじゃないのか? それに……現に俺様の姿を……獣人に変えやがったんだぞ……不味い。非常に不味い相手と戦闘になっているんじゃないのか。こいつは……人間ではないな。
「ハッタリかどうか、試してみるか……俺も興味があるしな」
豚のような獣人の首を押さえたまま、空いてる手で腕を引きちぎった。
「やめろ。止めてくれ! ぐあぁぁぁ……」
引きちぎった腕を床に放り投げた。