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次の日の朝も昨日と同じ時間に迎えに行き、運転する前に妙な視線を感じたものの、自分に飛ばされる視線に慣れてしまったせいだと考え直して、駅前まで笑美さんを送った。
名残惜しくてルームミラーで見送る姿を数秒間だけ見ていたら、笑美さんの傍に慌てた様子で駆け寄る、佐々木さんの存在を確認した。
(脇目もふらずに駆け寄るあの顔、なにかされたんじゃないかって、笑美さんのことをすっごく心配しているんだろうな)
僕にはまったくなびく様子のない笑美さん。どうしたら、彼女が僕を好きになってくれるんだろう?
仲睦まじいふたりの姿を羨ましく思いながら、ハンドルを握ったのだった。