名君ではあったのだが、
とにかく雉狩りが好きで仕方ない。
季節が巡ると、
朝早くに出て、夕方に帰ってくる。
呉臣らがそんな主君の有様を、
諫めないはずがない。
「雉なんてたかが一羽の鳥でしょう。
なんでそんなにご執心なんですか?」
すると孫休が答える。
「たかが一羽、とは言ってくれるな。
だがな、この時期の雉の習性を見ろ。
雄はどこまでも雌を守ろうとする。
人間でもこれだけ貞節を
守るものはそうそうおるまい。
故に朕は雉が好きなのだ」
孫休好射雉,至其時則晨去夕反。群臣莫不止諫:「此為小物,何足甚躭?」休曰:「雖為小物,耿介過人,朕所以好之。」
孫休は雉を射つを好み、其の時が至らば則ち晨に去り夕に反る。群臣に:「此れ小さき物たるに、何ぞ甚だ躭るに足らんか?」と諫止せざる莫し。休は曰く:「小物たると雖も、耿介せるは人に過ぐ、朕の之を好む所以なり」と。
(規箴4)
孫休
孫堅と孫休の間には