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孫休   雉狩り皇帝

孫権そんけんのあとを継いだ帝、孫休そんきゅう

名君ではあったのだが、

とにかく雉狩りが好きで仕方ない。

季節が巡ると、

朝早くに出て、夕方に帰ってくる。


呉臣らがそんな主君の有様を、

諫めないはずがない。


「雉なんてたかが一羽の鳥でしょう。

 なんでそんなにご執心なんですか?」


すると孫休が答える。


「たかが一羽、とは言ってくれるな。

 だがな、この時期の雉の習性を見ろ。

 雄はどこまでも雌を守ろうとする。

 人間でもこれだけ貞節を

 守るものはそうそうおるまい。

 故に朕は雉が好きなのだ」




孫休好射雉,至其時則晨去夕反。群臣莫不止諫:「此為小物,何足甚躭?」休曰:「雖為小物,耿介過人,朕所以好之。」


孫休は雉を射つを好み、其の時が至らば則ち晨に去り夕に反る。群臣に:「此れ小さき物たるに、何ぞ甚だ躭るに足らんか?」と諫止せざる莫し。休は曰く:「小物たると雖も、耿介せるは人に過ぐ、朕の之を好む所以なり」と。


(規箴4)




孫休

孫堅と孫休の間には孫亮そんりょうがいるが、まぁ廃されたのでシカトする。孫呉皇帝の後継者にまつわる紛糾、いわゆる二宮にきゅうの変を経てグダグダしまくった呉の宮中にあって孫休がどれだけ臣下を信頼できたか、という話ですね。つーか雉の徳行ぶりを愛しておきながら狩るのか……。

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