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張華   自虐の歌

西晋初期の名臣代表として

名を知られる、張華ちょうか

しかしだいたいひとを褒めまくるせいで、

自身がメイン、と言うエピソードがない。


せいぜいが以下の話程度だ。

とは言えここでもオマケみたいな扱いだが。


秦生しんせいと言うひとの自虐の言葉である。


「お前は

 溫顒おんぎょく、荀㝢《じゅんう》、張華ちょうか劉許りゅうきょ鄒湛すうじん鄭詡ていう

 たちに較べたらザコだ!


 溫顒はどもりだし、

 荀㝢は猫背で口数少ないし、

 張華は無駄に着飾ってばかり、

 劉許は口数だけのバカ、

 鄒湛はもごもご何言ってんのか不明、

 鄭詡は石臼に頭巾かけたみたいな面。


 だが、どいつも文章が上手い!

 だからこそその意思を広く天下に広めて、

 だからこそ宮中に取り立てられたのだ」




頭責秦子羽云:「子曾不如太原溫顒、潁川荀㝢、范陽張華、士卿劉許、義陽鄒湛、河南鄭詡。此數子者,或謇喫無宮商,或尪陋希言語,或淹伊多姿態,或讙譁少智諝,或口如含膠飴,或頭如巾齏杵。而猶以文采可觀,意思詳序,攀龍附鳳,並登天府。」


頭は秦子羽を責めて云えらく:「子は曾て太原の溫顒、潁川の荀㝢、范陽の張華、士卿の劉許、義陽の鄒湛、河南の鄭詡らに如かず。此の數なる子は、或いは謇喫にして宮商無く、或いは尪陋にして言語は希なく、或いは淹伊にして姿態多く、或いは讙譁にして智諝少なく、或いは口に膠飴の含むが如くし、或いは頭の齏杵に巾せるが如し。而して猶お文采の觀なるべくを以て、意思を詳らかに序せば、龍を攀げ鳳を附し、並び天府に登る」と。


(排調7)




秦生

誰だかよくわからない。まぁ、リストアップした彼らとは親交があったんだろう。「頭が秦生を責めている」となっているので、このエピソードでは、かれの盛大な自負と、他者への嘲りを込めた、けど自虐がほとばしっている、と言う非常にかぐわしき文言が成立している。何と言うか、ねじくれておる。


荀㝢

荀彧じゅんいくの親戚ですね。


劉許

涿鹿たくろく郡人。ってことは劉備とも関係あるのかな。


鄒湛・鄭詡

宮中でそこそこ出世してる。

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