目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

衛玠5  能弁のイケメン

衛玠えいかいさんは能談のイケメンである。

どんな感じで言われていたのか。



じいじの衛瓘えいかんしんの権力確保に

大きく貢献した謀臣は、

僅か五歳の衛玠を見て言っている。


「まったくとんでもない子だ。

 残念だが、このじじいでは、

 この子の将来が見届けられん!」



また王澄おうちょうが言っている。

兄の王衍おうえんをしてこいつには勝てない、

そう言わしめているかれは、

めったに人に敬服しない。


だが、衛玠の言葉を聞くごとには

嘆息の上ぶっ倒れたそうである。



それと、王済おうさいのコメント。

かれの妹が、衛玠の母である。

かれもイケメンであったのだが、

衛玠の姿を見るたび、

いつもため息ばかり。


「宝玉もかくやと言う奴に

 側におられてしまえば、

 自分の醜さを

 思い知らされるな!」




衛玠年五歲,神衿可愛。祖太保曰:「此兒有異,顧吾老,不見其大耳!」

衛玠は年五歲にして、神衿して愛さるべし。祖の太保は曰く:「此の兒は異有り、吾が老えるを顧るに、其の大なるを見ざりたるのみ!」と。

(識鑒8)


王平子邁世有俊才,少所推服。每聞衛玠言,輒歎息絕倒。

王平子は邁世に俊才有り、推服せる所少なきも、衛玠が言を聞く每、輒ち歎息し絕倒す。

(賞譽45)


驃騎王武子是衛玠之舅,俊爽有風姿,見玠輒歎曰:「珠玉在側,覺我形穢!」

驃騎の王武子は是れ衛玠の舅にして、俊爽にして風姿有り、玠を見るに輒ち歎じて曰く:「珠玉の側に在らば、我が形の穢きを覺ゆ!」と。

(容止14)




あ、王敦さんのところで「阿平(王澄)がぶっ倒れるぞ!」ってこれのことか。いまさら納得。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?